高校生のときに、友達の誕生日をサプライズでお祝いしたことがあります。朝の通学時間に待ち合わせ場所でクラッカーを鳴らしてお祝いしたり、ロッカーにプレゼントを忍ばせたり。事前に手作りしておいたケーキを昼休みにお母さんに届けてもらい、友達みんなと中庭のテーブルで食べたりもしました。喜んでくれる友達の顔が見られたのもうれしかったし、それと同じくらい、準備している時間も楽しくて。振り返ると、人の幸せに立ち会える仕事がしたいと、そのときに決めたような気がします。

ホスピタリティ経営学科の企業実習は、ブライダル業界の経験が積める貴重な機会。私は結婚式場のサービススタッフとして、クロークでの手荷物の受け渡しや、披露宴での料理の提供を担当しました。多いときには1日5組の披露宴にかかわったことも。平日は大学の授業に出席して、週末はサービススタッフとして現場に立つ。そんな生活が半年ほど続きました。

現場を経験してみて、想像と違ったことはもちろんあります。いちばんは、体力的にすごくハードだということ。スタッフはお客様の前では笑顔を欠かしませんが、舞台裏では常に全力ダッシュ（笑）。それでも、みんなこの仕事が大好きで、誇りを持っていることが伝わってきました。何よりのご褒美は、お客様からの感謝の言葉。「本当にありがとう」「田中さんのおかげで楽しかったよ」そうした声のおかげで、この世界で生きていきたいと、強く思うことができました。

ホテル、ブライダル、テーマパークなどで約300時間の現場体験ができる、経営学部 ホスピタリティ経営学科が対象のプログラム。会社の仕組みや質の高いおもてなしが学べます。また、就職する前に実際に仕事を経験することで、自身の適性を見極めるのにも役立ちます。

学外の人がたくさん訪れる学園祭。模擬店の出店も、ホスピタリティを学ぶ私たちにとっては貴重な実践の場です。私が所属しているのはイベント企画のゼミ。飲食店に負けないインパクトを出すために、1.4メートルの巨大なガチャガチャを制作しました。それをハロウィン仕様にデコレーションして、景品を見えるところに並べて。結果は大盛況！ガチャガチャを回したくて、子どもたちが行列を作ってくれたんです。楽しいことを企画すれば、自然と広がっていく。大切な気づきを得ることができました。

レストランでおいしいものを食べたり、好きなアーティストのライブを見たり、楽しいことはたくさんある。けれど、結婚式は他の何とも比べられない特別な時間。就職活動を始める時点で、将来の仕事はブライダルと決めていました。テイクアンドギヴ・ニーズは、出会う人みんながとても素敵で。面接のあと、面接と同じくらい時間をかけてドレス見学をさせていただき、採用後にはお手紙もいただきました。この人たちと働きたい。その気持ちが決め手でした。

私の職種はドレスコーディネーター。新婦様のご要望を聞き、その方に合ったドレスを提案する仕事です。テイクアンドギヴ・ニーズには、私の他にもウェディングプランナー、フラワーコーディネーターとして、大阪学院大学から内定した友達がいます。「いつかみんなで友達の結婚式を手掛けたいね」と話しています。高校生のときのサプライズは私ひとりで企画しましたが、今は同じ夢を共有する仲間ができました。