小山田 早織

スタイリスト
『TOKYO STYLIST THE ONE EDITION』クリエイティブディレクター
文学部史学科/2010年3月卒

読者モデルをきっかけに 世界が広がった大学時代

学校の先生をめざして進学した立教大学。その入学式で『ViVi』の読者モデルにスカウトされたことが、現在の道に進むきっかけになりました。大学3年のときには岡山のデニム製造会社から新ブランドのデザイナーの依頼をいただき、週に2~3回、岡山まで日帰りで通うことに。右も左もわからないただの学生に初めは職人さんたちの視線も厳しく、辛かったです。でも、そこでものづくりの喜びを知り、「いつか職人さんたちに一流と言ってもらえる仕事をしよう」と思ったことが、後々、東京スタイルと組んでブランドをスタートさせる情熱にもつながりました。「やってみたい」と直感したら、お金や労力に関係なく飛び込んでみる性格は今も変わりません。

テレビ出演や連載を通して 気づいた大切なこと

「ファッション」を共通のキーワードに、さまざまな年齢や立場の女性たちと一緒に成長していきたい。最近、そんな思いがますます強くなっています。正直にお話しすると、すごいと言われたくて自分の見栄のために仕事をしていた時期もありました。それが変化したのは、テレビ出演や雑誌で連載を持つ機会をいただいてから。読者や視聴者の方々にお会いし、生の声を聞き、自分の言葉で伝えるという貴重な経験をして、大切なのは着こなしのリアルな悩みに応える「役に立つ」スタイリングだと気づいたんです。だから私らしさを出すことは重要ではありません。今を生きる女性たちが幸せな気分になれるスタイリングを提案することが、何よりの喜びです。

夢は「今」の延長線上に すべてがつながっている

「失敗しても学生の間は軌道修正できる」。そう思って好奇心のおもむくままチャレンジを続けた立教時代。当初描いていた教員という将来像は変わっていきましたが、教員免許を取得する過程で身につけたことは、現在、ファッションの専門学校で教壇に立つ際とても役に立っています。文学部で培った表現力も連載やスタイルブックの執筆に活きていますし、すべての出会いや経験が現在につながっているんですよね。そう考えると、ここでは手を抜いてほどほどに、なんてできません。夢は「今」の延長線上にあって、毎日の積み重ねが未来をつくるもの。明日、自信をもって踏み出せる自分であるためにも、今日の努力を怠らず進んでいきたいと思います。