森重 かをり

株式会社ルピシア
代表取締役社長
理学部化学科/1991年3月卒

白衣の研究員めざして化学科へ 少人数と親身な指導は立教の伝統

「昔からお茶に興味があったのですか」と聞かれることがありますが、そういう訳ではありません。大学では化学を学びました。洗剤のCMで見た白衣の研究員に憧れて化学科を選んだんです。単純ですね。立教の化学科は当時から少人数で、1学年40名。先生と一対一で密度の高い指導を受けることができ、「こうしたい」にとことん応えてもらえる環境でした。3年次に大学院進学のことを相談したときも、私の研究したい分野を聞いて、それなら他大学の院がよいとアドバイスしてくださいました。大学の枠を越え、学生の希望に誠実に寄り添ってくださる先生の姿は今も忘れません。女子バスケットボール部に所属し、仲間と声を張りあげながら練習に励んだ日々も私の大学生活の証です。

虫が茶葉を噛んで香りが生まれる そんな物語や感動をお届けしたい

ルピシアに入社して3カ月になる頃、東方美人というお茶を求めて台湾に飛びました。蜜のような甘い香りがその特徴ですが、茶園で話を聞くと、ウンカという虫が茶葉を噛むことで香りが生まれるというのです。イネの害虫でもあるウンカが、東方美人の立役者。これには心底驚いて、茶葉をまじまじと見つめたのを覚えています。そんな自分たちが体験した感動をお客さまにお届けし、喜んでいただきたいという思いがルピシアの原点です。産地から茶葉を直接買い付け、自社工場で製造し、販売まで行い、どれも人任せにはしません。私自身、全国各地の店舗を訪れお客さまとお話できる時間が楽しみで、一杯のお茶から広がる会話に活力をいただいています。

お茶の可能性を探求し続けながら 「食」の楽しさや喜びも広げる

お鮨とお茶、チョコレートとお茶、チーズとお茶…これは店舗のイベントで提案させていただいた食べ合わせの一例で、お茶はまだまだ多くの可能性や楽しい意外性を秘めていると感じます。それを商品やサービスを通して形にするのはもちろんのこと、「食」にも力を入れていきたいですね。昨年はニセコ工場を新設し、北海道の新鮮な食材を使ったお菓子やお惣菜などをお届けできるようになりました。ルピシアのロゴには“おいしいものを求めて世界を旅する食いしん坊のらくだと王子”が描かれていますが、それはスタッフ全員の姿です。「おいしい」の笑顔のために、お客さまに自信をもってご案内できるものを作るために、今後も世界をめぐり続けます。