野中 裕子

神奈川県公立小学校
教諭
文学部教育学科/2009年3月卒

教師に必要な幅広い知識は 立教の多様な学びから得た

立教大学の教育学科は文学部にあるため、教育学以外のさまざまな分野の授業も受けることができました。たとえば語学。私は高校時代をドイツで過ごしたので、そこで覚えたドイツ語やフランス語を大学でも専門的に学んでスキルアップできたのはありがたかったですね。3年次には立教の派遣留学制度を利用して再びドイツに行き、チュービンゲン大学で学びながら、日本に留学予定の中学生に日本語を教えたりもしました。教師には幅広い知識と視野が求められます。多様な学びと経験を得られる立教は、その基礎を築くのに十分な環境でした。当時の初等教育専攻の仲間とは今も連絡を取り合い、教師同士、意見交換しながら支え合っています。

子どものもつ力にふれ 自分も学び手であると実感

「先生、教えてあげる」。教師になって10年目、そんな一言に子どもたちの心の成長を感じて嬉しくなる毎日です。この4月に産休・育休を経て職場に復帰し、2年生約30名の学級担任を務めていますが、現場感覚を取り戻せるのか当初は不安でした。そこで思いきって、「先生もわからないことがあるから教えてね」とクラスで話してみたんです。そうしたら一人ひとりが率先して思い思いのサポートをしてくれて、子どものもつエネルギーや可能性は本当に無限ですね。明るくまっすぐ物事に取り組むその姿に力をもらうと同時に、教師もまた学び手であると実感しました。こんなに素晴らしい子どもたちと一緒に成長していけることを、とても嬉しく思います。

教師仲間は大学生活の財産 産休・育休中の経験も糧に

教師は子育ての経験を活かせる仕事でもあると思います。育児をする前は疑問だらけだったクラスの子どもの行動・発言を自分なりに理解できるようになったり、育休中にわが子としていた手遊びや工作が教室で活かされたり、そうした中で以前よりゆとりをもって子どもたちに接することができるようになりました。社会がものすごいスピードで変化していく時代、子どもの学力を伸ばすのはもちろんのこと、「あなたなら大丈夫」という信頼や安心感を醸成し、一人ひとりの生きる力を育みたいと強く思います。私自身まだまだ迷うこともたくさんありますが、そんなとき相談しあえる大学の仲間の存在は心強いもの。このつながりは立教で得た一番の財産です。