安原 伶香

大三萬年堂 13代目
株式会社HANARE 代表取締役社長
和スイーツ研究家
経済学部 経済学科/2012年3月卒

安原 伶香

クラスのみんなの言葉が家業を見つめ直すきっかけに

赤レンガの校舎、品のある佇まい、温かな雰囲気…立教大学を見た瞬間、一目惚れして進学を決めました。入学して驚いたのがクラスで実家の話をしたとき、すごい!という反応が返ってきたこと。兵庫の実家は大三萬年堂という江戸中期から続く和菓子店なのですが、当時の私は家業に対して何の意識もないどころか、ケーキ屋さんならよかったなどと思っていました。それが、「360年続いているなんてすごい」というみんなの言葉で価値観が一変。ふり返れば、これが現在の自分につながる道の始まりですね。経済学を学んで身についた社会の流れを掴む力も私の財産です。「経済は生き物だから学び続けることが大事」という先生の教えは今も忘れません。

安原 伶香

女性ならではの視点を活かした和スイーツをプロデュース

2019年、大三萬年堂の新ブランド「大三萬年堂HANARE」を東京にオープンしました。現在はそのプロデュースを中心に、和スイーツ研究家として活動中です。12代目の父が創業時からの製法で伝統和菓子を作っているのに対し、13代目の私は和洋折衷の新しい和スイーツを開発しています。私だからできる女性ならではの視点を活かした品々で、たとえば米粉を使った「どらぱん」に挟んでいるのは、2日かけて本店で手作りした大三萬年堂秘伝のあんこと、ヘルシーで乳製品にアレルギーを持つ方も食べられる豆乳クリーム。見た目の可愛いさだけでなく、素材一つ一つに物語があり、フィロソフィがある。そんなスイーツを生み出し和菓子の可能性を切り拓いていくことが、私の使命だと感じています。

安原 伶香

14代目、15代目へと一番いい形でつないでいきたい

商品開発では、トレンドの素材を積極的に取り入れることも重視しています。HANAREを立ち上げる前、私はスイーツライターとして仕事をしていたのですが、そのときの経験から「次はこれがくるな」というのが肌感覚でわかるようになりました。ほかにも、商品の伝え方・見せ方、効果的なPR方法をはじめ、ライター時代に学んだことはすべて今に活きています。失敗も含め、どんな経験も自分の道につながるから、無駄なことは一つもないんですよね。むしろ、失敗してなんぼだと思います。今後も新しい挑戦を続けて、和菓子や和文化の素晴らしさを世界に伝えていきたい。そして家業を14代目、15代目へと一番いい形でバトンタッチできたら最高に幸せです。