  
●学年でアイデアを競って考え方を学ばせる課外の「I.P.T」(インタレクチュアル・トレーニング)
●I.P.T.活動 ──1年生の例(1)
●I.P.T.活動 ──1年生の例(2)
●I.P.T.活動 ──2年生の例
●I.P.T.活動 ──総括
●学年でアイデアを競って考え方を学ばせる課外の「I.P.T.」
走りながら考え、始める
金津高校は今年で開校18年目と、福井県立としては比較的新しい高校だ。福井市にも近いが、生徒のほとんどを金津町を含む坂井郡内の中学校出身者で占めている。国公立大学合格者が毎年100人を超えるなど、進学校として地元の期待も高い。
純朴でまじめな生徒を集め、補習によってそれなりの進学実績を上げる、という典型的な地方進学校のパターンだった。しかし数年前から、教師の間で「知識注入型の学習には限界があるのではないか」という声がささやかれ出したという。
平成7年になって進路指導部から「受験教育はしていても、人間教育はしているだろうか」「人間として、社会で生きていくための力をつける教育をしているだろうか」といった反省が出されたこともあり、先進校の訪問を行って、何ができるかを模索した。その結果「できることから始めよう」と導入を決めたのが、小論文の基礎指導とディベート活動だった。
「理論は後からでもいいから、走りながら考えようということで始めました」と、進路指導主事の西永嘉和先生は振り返る。とはいえ同年度中に延べ11人をディベート研修会に参加させるなど、取り組みを本格化させる。
8年度は補習に充てていた放課後の毎週1時間を使い、1、2年生を対象に実施。当初は時間の名称すらなかったというのも、「走りながら考える」という一端を表すエピソードだ。ある学年が名付けたI.P.T.(intellectual
power trainingの略)が、そのまま正式名称となった。これには、生徒が21世紀に活躍できるように「人間の知力を錬磨し、高度に知的な問題にも対応できる能力を育てる」という決意が込められているという。
平成9年度からは実施主体を進路指導部から学年に移し、1年生から学年進行で本格的に実施することになった。全学年で実施するのは、今年度で2年目ということになる。
■金津高校の「総合学習」
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授業名
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I.P.T.(intellectual power training)
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創設時期
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平成9年度
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平成10年度
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平成11年度
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対象学年
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1年生
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1・2年生
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全学年
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実施時期
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通 年
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1学期
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時間数
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24時間
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24時間
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1・2年生 24時間
3年生 6時間
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内容
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ディベート、小論文指導など(学年による)
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指導者
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各学年所属の教師(正・副学級担任)
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学習集団
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学級単位
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総合学習
タイプ別分類
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在り方生き方型
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10年後に役立つ能力を
走りながら意義や活動内容をつくってきたI.P.T.だが、これまでの活動を総括するために、今年度に入って「I.P.T.活動の歩み」と題する冊子を初めてまとめた。
それによると、I.P.T.の目指す人間像は「豊かな心と良識をもつ人間」と、「国際社会に通用する人間」。I.P.T.の活動を通して、他者の生き方や価値観を認め、互いに成長していこうとする姿勢、社会問題へのかかわりを持とうとする姿勢、人間の在り方や自己の生き方を考え、主体的に生きていこうとする姿勢──を育成したいとしている。
具体的には(1)時事問題等の情報を収集整理し、考え、まとめ、表現できる力(2)人権について理解し、考えていける力(3)人の生き方について考え、将来の進路について自ら探求できる力(4)芸術・文化に対する豊かな感受性──の育成を目指している。教務主任の前田義照先生は、「直接大学受験に役立つ、というのではなく、10年後の長い時期にわたって役立つ能力を育てよう、という確認事項がありました」と説明する。
こうした共通理解の下に各学年でI.P.T.活動が展開されているが、共通しているのは、小論文指導とディベートを両輪として実施する、ということだけ。それ以外にどんな活動を実施するかは、学年に任されている。実際にも内容は多彩だ。
担任は卒業まで持ち上がっていくために、結果的に3年間で系統的な指導が実施できることになる。
■平成9年度入学生の「I. P. T. 」実施例
初めて3年間の本格実施となった平成9年度入学生が実際に行ったI.P.T.の活動内容。小論文とディベートを核に、講演会や学部学科・職業調べ、壁新聞づくりなども取り入れている。これをモデルとして、他学年は「知ってるつもり?」(尊敬する人レポート)、「ハンマープライス人生編」(次ページ参照)、「四コマ漫画ストーリーづくり」などのアイデアを加えた。
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