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東京都立国際高校

2000年11月号(第5号)
86ページ

● 3年間で論文の基礎から問題解決能力までを修得、国際学科の「課題研究」

  • 学科の“看板”として
  • 今年度から1年生にも
  • 指導は教諭全員で分担

● 課題研究


● 3年間で論文の基礎から問題解決能力までを修得、国際学科の「課題研究」

学科の“看板”として

東京都立国際高校は「国際学科」を設置している都内唯一の高校で、今年で創立12年目。
学校として国際性豊かな人材を育成するだけでなく、国際理解教育の研究開発や他校への情報提供を行う、パイロット校としての役割も担っている。
入試においては、募集定員の3分の1を日本人学校や現地校の出身者、在京外国人向けの枠とし、一般の生徒(推薦・一般)とは別枠を設けている。従って、海外帰国生徒は28カ国約150人、外国人生徒は17カ国約60人(いずれも5月現在)に及ぶなど、生徒層も多様で、まさに国際化時代を体現する存在だ。
「課題研究」は創立時にそうした国際学科の“看板”として設けられた重要科目で、普通科目と専門科目を統合する、まさに「教科横断的・総合的な学習」と位置付けてきた。校務分掌上も研究開発部が「課題研究」に関する校務を担当し、主任の佐藤純一先生も「研究開発部の仕事の中心は課題研究なんです」と言う。

■東京都立国際高校の「課題研究」

授業名
課題研究
創設時期
平成12年度
平成2年度
平成3年度
対象学年
1年生
2年生
3年生
時間数
各学年、年間36時間を目安とする
内容
論文の書き方、テーマ
設定の方法などを学ぶ
興味・関心に基づいて設定した課題を調査・
研究し、1年間かけてレポートにまとめる
指導者
全教員(1人当たり各学年4〜5人)
学習集団
個 人
総合学習
タイプ分類
課題研究型

今年度から1年生にも

同校の「課題研究」は、生徒が授業や日常生活の中で関心を持ったテーマを設定して調査・研究を行い、1年間かけて4000字(英文なら2000語)程度のレポートにまとめるもの。その過程で、情報を収集して主題を客観的に分析する能力を身につけ、人間生活のさまざまな問題に対処できる能力を育成することを目指している。
研究テーマは国際理解に関係するもの以外も認めているが、原則として個人で行うこととし、共同研究は認めていない。
開校以来、2、3年生で各1単位の履修(卒業までに2本のレポートを作成)としてきたが、今年度から「総合的な学習の時間」への移行措置として、1年生でも「課題研究」を実施することにした。2003年度以降に「総合的な学習の時間」が完全実施となっても、下限である105時間はクリアできるとの見通しだ。
ただし1年生の指導内容は、資料検索やレポートの書き方などの基礎訓練を中心としている。これまでにも「2年生でいきなり研究をさせるには無理がある。原稿用紙の使い方から教えるなど、準備期間が必要ではないか」という声が、校内にもあったという。研究開発部の柿原亨先生は「帰国生は日本の学校生活にも慣れていないことが多いですからね。1年生の間は、本格的な指導への準備期間と考えています」と話す。
佐藤先生も「今まで日本の学校は、文章の書き方についての指導や、文章をまとめさせるといった指導をあまりやってこなかったんじゃないでしょうか」と体系的なレポート指導の必要性を強調する。

指導は教諭全員で分担

普通科系の高校が課題研究を行おうとする時、大きな問題の一つは、「誰が担当するのか」ということだろう。
都立国際高校の場合は「全校のプロジェクト」(佐藤先生)として、53人いる専任教諭全員で指導することで解決している。1人当たり各学年4、5人ずつの生徒を担当する計算になる。指導教諭の割り振りは、1年生の場合は機械的に、2、3年生は生徒のテーマも考慮しながら、研究開発部が行う。1人の先生が常時、帰国生や留学生などを含む多様な生徒15人に個別指導を行うのは大変なことだ。しかし、研究開発部のベテランである芦苅浩先生は「特別視しないで、教科と同じだと思えばいいんですよ。担当の一部なんですから当然です」と事もなげに言う。
「総合的な学習の時間」では、学校の特色や生徒の特性などに応じて各学校が学習活動を設定することとされている。一見特別な事例にみえる都立国際高校の「課題研究」からも、学校の特色を積極的に生かそうとする姿勢を学ぶことができそうだ。


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