  
● 進路と教科横断で在り方生き方教育、普通の高校が試行した「未来を拓く」
● 未来を拓く(1年生〜3年生)
● 総括
● 進路と教科横断で在り方生き方教育、普通の高校が試行した「未来を拓く」
総合学習の試行を決断
東京都立八潮高校は、「総合的な学習の時間」として、進路学習と教科横断的・総合的学習を柱とした「未来を拓く」(各学年1単位)を実施している。この取り組みについて、同校総合学習委員会の宮崎猛先生は、「総合学科でも研究指定校でもない普通の高校の取り組みということが特徴です」と説明する。
「総合的な学習の時間」は、新学習指導要領で必履修となるが、多くの高校では、2002年度の完全学校週5日制から始まる授業時数削減の中で、各教科・科目の時間数をどうするかが最大の関心事となっている。「教科・科目をどうするかが決まらないのに、総合学習など考える余裕はない」というのが、高校現場の偽らざる本音だろう。同校でも新学習指導要領に向けた特別カリキュラム委員会を平成11年10月に設置したが、最初に挙がった声は「まず教科・科目の検討を」というものだった。
しかし、議論を重ねていくうちに、教科・科目を先に決定すると、「総合的な学習の時間」は持ち時間数の少ない教員が担当することになり、結局内容そのものが、教科・科目の付け足しになってしまうという意見で一致した。校内的には、拙速さや教員の負担増を懸念する意見が依然としてあったものの、翌年1月に2000年度から総合的学習を試行することが職員会議で決定された。
この背景には、「総合的な学習の時間」を最初に決めておいた方が、かえって教科・科目の編成がしやすいという利点と同時に、他校に先駆けて総合学習を導入することで、学校の特色を打ち出すという「生き残り」戦略があったという。
既存の活動をベースに
総合学習を試行するに当たって、同校が確認したことは、1.
教員の負担増をできるだけ避けるために、現在行っているものを取り入れる 2. 今まで行ってきたものを総合的学習へと発展させ、学校の教育活動全体をよりよいものとする――の2点。
具体的には、各学年で実施している進路指導や行事を総合学習のベースにした。新学習指導要領では総合学習の一つとして「自己の在り方生き方や進路について考察する学習活動」を例示しているが、これは小・中学校の学習指導要領にはなく、高校独自の項目だ。さらに、全教員の持ち時間数を週1時間ずつ増やして「講座別学習」を設け、教科横断的・総合的な学習内容も加えた。
宮崎先生は「進路指導は総合学習に取り込みやすい。『学習』にすることで表面的になりがちな進路指導を内面化できる。また講座別学習を取り入れることで、進路学習と教科横断的学習の両面から、在り方生き方教育をしようというのが狙いです」と話す。こうして出来上がったのが、同校の総合学習「未来を拓く」だ。
■都立八潮高校の「未来を拓く」
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