  
●“普通の学校”を変えた職場体験を契機に 今年から1年生に必修「総合学習『みらい』」
●みらい(1年生)
●“普通の学校”を変えた職場体験を契機に 今年から1年生に必修「総合学習『みらい』」
閉塞感を打ち破るために
三重県立桑名北高校に大橋真教頭が赴任したのが、平成11年度。その時にまず感じたのは、学校にまん延する“閉塞感”だったという。
同校は20年ほど前、急増する生徒の受け皿として桑名市北部に開校。生徒減少期に転じてからは生徒確保に苦労することとなり、8年度から4年連続で定員割れが続いていた。
「定員割れの一番の問題は、先生方がやる気をなくすことなんですよ。 自分たちの仕事が社会的に認知されていない、と感じてしまうんですね」(大橋教頭)
そんな折、危機感をさらに強めることとなったのが、近隣の学校が13年度から総合学科に転換するという発表だった。特別な予算の配慮もない「普通の学校」として、生き残るための手だてが求められていた。
そこで大橋教頭が決断したのが、インターンシップの導入。職場体験が効果を生むことは、前任校の工業高校で経験済みだった。急きょ労働省(当時)の「ジュニアインターンシップ」事業に応募し、11年度末には実施にこぎつけた。
「先生たちはみな、潜在的に高い能力を持っています。しかし『仕事をさせられている』という意識が強く、日々の仕事に追われるだけでした。『自分たちの学校を何とかしよう』という意識を作らなければならないと思ったのです」と、大橋教頭は動機を説明する。
体験学習の“力”を発展
インターンシップの導入で分かったことは、体験学習には生徒を、ひいては学校を変える大きな力があることだった。12年度には文部省(当時)から高校生等保育・介護体験総合推進事業の指定も受けている。
こうした実践と並行して、校内に「学校改革委員会」を設置。5つの部会を設け、全教員が参加して学校の将来像を検討することになった。
このうち第一部会では、インターンシップと保育・介護体験を発展させる学習を検討。当初は総合学科の原則履修科目である「産業社会と人間」の導入も検討したが、教科・領域にとらわれない学習を作ることができるという判断から、「総合的な学習の時間」の先取り実施という形を選択した。
こうして生まれたのが、「総合的な学習の時間『みらい』」だ。
具体的なカリキュラムの原案づくり、そして、その後結成された「みらい」運営委員会の運営には、同部会の坂田広峰先生(現「みらい」担当)が中心となって当たった。大学時代に産業社会学部で学び、社会科の教師となった坂田先生は「『総合的な学習の時間』には大学で研究したテーマと共通の理念が流れていると思いました。だからカリキュラムを検討している時は、本当に楽しかったですね」と振り返る。
こうした先生方のさまざまな思いを集めながら、まず1年生で「みらい」がスタートすることになった。
■桑名北高校の「みらい」
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