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アニメーターが仕事をするときの心がけ

アニメーターが仕事をするときの心がけ

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手塚治虫による日本初の商業用テレビアニメ『鉄腕アトム』の番組放送が1963年に開始されて以来、天才、巨匠、神様、異才と呼ばれるマンガ家やアニメーターが次々と新境地を切り開き、発展を遂げてきた「Japanese Anime」。ここでは、世界の人々を魅了する独自の文化を形成したアニメ業界で働くための心がまえとは、どのようなものかを考えていきましょう。

漠然とアニメが好きな人は、アニメーターの違いに着目してみよう

「誰よりも絵を描くことに自信がある」「締め切りを守る自信がある」「アニメーター以外の道は考えられない」という人は、どのような心がまえをもてばよいのでしょうか。
そのような人は、早いうちからプロアニメーターになるための訓練を積み重ねておきたいもの。その第一歩が「アニメーターの違いを見極める」ということです。一口にアニメといってもスポーツ、グルメ、ギャグ、ヒーローもの、少女、歴史、推理、ホラー、ビジネスなど作風やジャンルは多岐にわたりますし、画風も単純な線画で構成された抽象画から、1カットごとに数千もの点や線で描かれた写実的な作風など多種多彩です。
例えば、ギャグマンガの王様・赤塚不二夫の作品に登場する2等身のキャラはいたってシンプルながらも、絶妙なバランスとユーモア感覚あふれるデフォルメタッチの画風は、他人が真似できない独自の世界観を築いています。あるいは、劇画調の作風で他のマンガ家に多大な影響を与えた武尊論の『北斗の拳』は、ケンシロウをはじめとする登場人物が膨大な点や線によって写実的に描き込まれています、また、鳥山明はデフォルメタッチと写実性を見事に両立させ、アニメの世界に新境地を切り開きました。さらに、テレビアニメの同じ作品を見続けても一話と二話で絵が違う、さらに三話は一話二話とも少し絵が違うことに気づくと思います。その中で自分の好みというものが見えてくるはずです。
アニメーターを志す人は、こうした天才、巨匠、神様、異才をはじめとした多くの個性を持ったアニメーターやマンガ家の作風や特長を作品ごとに分析し、その違いや特長を自らの言葉で語れるようになることが、プロアニメーターの基礎スキルになることを理解しておきましょう。
そして、作品ごとの分析や各作品に対する「自らの言葉」を確立できていない人は、プロアニメーターとしての基礎スキルを養うために、まずは優れたアニメーターやマンガ家が世に生み出した作品の「模倣」に取りかかってみましょう。「とにかく似せて描く」という「模倣」は単純作業にもとらえられがちですが、アニメーターが下積み時代に経験する動画マンとしての仕事は「キャラクター表を見て描く」という作業です。他の絵描きにはあまり見られない作業で、それは「模倣」と言えるからです。

描くことが好き= アニメーターに向いているとは限らない

アニメーターを志望する人のほとんどが幼いときからコミックを読みふけり、テレビアニメ、劇場版アニメなどの作品に触れる中でその魅力にどっぷりとはまり「将来アニメ業界で働きたい」と思うようになったのではないでしょうか。こうした特色から「アニメーター = アニメ好き」というシンプルな方程式が成り立ちます。ただし、アニメーター志望の人が注意しておくべき大切なポイントがあります。それは「絵を描くことが好きな人 = アニメーターに向いている」という方程式が成り立つわけではないという点です。それはなぜでしょうか。
アニメーターになったからといっても、仕事ともなれば好きな絵を描かせてもらう可能性は低いですし、新人時代は多くの人が「動画マン」としてスタートをきり、動作のポイントを押さえた原画と原画の間をつなぐ「動画」をひたすら黙々と描いていかなければなりません。そのため、アニメ好きで将来アニメーターになりたい人は、面倒くさいことやいつも後まわしにしがちなことにも積極的にとりかかるようするなど、日常生活のささいなことから見直して、何事も根気よく続けられるようにしておきましょう。

取材協力

ふくだのりゆき/アニメーター、アニメ演出(スタジオあなろぐ所属)

1987年4月本橋秀之氏に師事してアニメーターになる。1999年8月マッドハウスに活動の拠点置き「はじめの一歩」等の作品に携わる。2008年頃からアニメーター新人支援にシフトする活動開始、現在に至る。2020年に向けて新作準備中。

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