キャリアガイダンスVol.402 別冊
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2Vol.402 別冊付録研究費対GDP比率(兆円)(%)研究者研究補助者等研究者1人当たりの研究費(万人)(万円/人)理系「研究職」のキャリアとなるまでのステップやりたいのは基礎研究か応用研究か?働くのは大学・研究機関か企業か? 研究職のニーズに関しては、平成不況以降、企業が基礎研究を縮小する動きなども目立ち、厳しい状況にあるという見方が一般的にある。では、実際のところはどうなのだろうか。 関連する指標の一つが国内全体の科学技術研究費の推移。図1を見ると、確かに景気の変動と連動する傾向が強く、リーマンショック(平成20年)前までは右肩上がりで上昇を続けていたが、平成21年に大きく落ち込んでいる。その後は横ばいの状況が続いているが、ポイントは対GDP比率が3.6%台で好況期と同レベルを維持している点。今後、景気が上昇すれば研究投資の回復も十分期待できそうだ。 次に研究職自体のニーズを見てみたい(図2)。こちらも83~84万人台でほぼ横ばいの状況。そんな中で注目したいのは女性研究者数の伸びだ(図3)。ここ数年、漸増を続けており、研究者全体に占める割合も上昇。大学や企業においても、女性研究者を増やしていこうという取り組みが目立っている。 ここで改めて「研究職」という職種の位置づけや中身を整理しておきたい。理系の職種としてはほかに「技術職」があるが、この2つの違いは何なのだろうか? 原則的には、今までにない新しい原理や技術を生み出すのが研究職の仕事、それらの原理や技術を生かして製品を作り出すのが技術職の仕事と定義できる。企業を例にとれば、研究職は研究開発部門に所属し、技術職は事業部門に所属するというのが一般的なイメージだ。ただし、研究開発から製品化に至る一連のプロセスは明確に区分けできない部分も多く、現実には研究職・技術職の区分もあいまいな面がある。 自身、日本アイ・ビー・エムをはじめとする企業でのキャリアに加え、大学で研究職に携わった経験をもつ統計数理研究所の丸山宏教授は次のように語る。 「私自身、研究所での基礎研究を中心にキャリアを重ねてきましたが、事業部門に所属していた時期もあります。また、例えば、グーグルのように新しい技術をすぐに事業化していくような企業進路指導に役立つ最新DATA&ノウハウまとめ/伊藤敬太郎現在、「研究職」の職業倫理や資質に日本中の関心が集まっているが、それだけ、科学技術立国の担い手として期待されている役割は大きい。では、今後、研究職のキャリアにはどのような展望が開かれているのだろうか?理系の高校生の進路指導に役立つ、研究職の現在と未来、なるためのステップ、大学選びのポイントなどを解説する。これからの社会で研究職が果たす役割とは?図1 日本の科学技術研究費と対GDP比率の推移図2 研究関係従事者数と1人当たりの研究費の推移図1~4出所/総務省「平成25年科学技術研究調査」

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