キャリアガイダンスVol.405
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 先生が、生徒の組み合せを熟慮してグループ分けする、というのは、私は慎重にやらなくては危険だと考えています。生徒たちが先生の意図を読み取り、「このグループではA君がリーダー的立場で、僕は教えてもらう立場」などとそれぞれの役割を決めてしまうからです。各自の役割は固定化されていき、みんながお互いに助け合いながら学ぶような協働学習にならないことが多いのです。 ですので、まずは「生徒一人ひとりの役割が固定化されない」ことを重視してグループ分けをしてみてはいかがでしょうか。そのための一つの手立ては、毎回、くじ引きのような形で、グループをシャッフルし続けることです。気まずい雰囲気のグループができるときもありますが、次回には違う組み合せとなるので、ひどい状態がずっとは続きません。 ある程度の慣れとファシリテーションのスキルがあれば、自由に座っても 課題をどのレベルに設定するかは、私も悩みました。一見、平均レベルがいいように思えますが、そうした課題だと、クラスの半数の生徒は一人でもできるので、グループの話し合いは活性化しないんですよね。 試行錯誤してみてわかったのは、基本的には「難しい課題」のほうが、話し合いは盛り上がるということです。ただ、難しい課題だけを出すと、手のつけようがなくてあきらめてしまう生徒が増えます。 そこで、私の場合は、まずは生徒たちに自分たちで考えられるという安心感をもたらすために、一番目には「やさしい課題」をもってきています。続けて段々と「難しい課題」になるように、複数の課題を並べる、というのが、基本のやり方です。グループワークの開始から5分くらいは話す生徒はあまりいませんが、10分、15分と経って後半の課題になるほど、話し合いが活性化していきます。らうのも一つの方法です。私はそうしており、生徒たちに「自分にとって居心地のいい席に行ってください」と伝えています。回を重ねると、これまでと違う席に向かう生徒も出てきて、教えたり、教えられたりと本人の立場も変動します。 そうした固定化しないグループで、チームで協力するというルール設定のもとでワークを続けていくと、子どものほうが大人よりずっと柔軟なので、グループ活動を苦手としていたような生徒もまわりの子が取り込んで、かかわりを深めていきます。 ただし、なかには何度やってもグループになじめない生徒もいます。そこはグループ編成や授業の構成などの工夫でどうにかなる話ではなく、もちろんその子を責める話でもなく、発達障害や精神疾患の可能性も頭に入れ、教師が特別支援の知識なども身につけて、個別に信頼関係を築いてサポートする分野だと考えています。 また、授業中に生徒が次のようなプロセスをたどれるように、課題の出し方を工夫すると、ワークの中身が充実するとも感じています。①生徒一人ひとりが課題に対する自分の答えや意見を考える②考えたことを他者と共有する③他者から得た情報も参考にして、自分の考えを修正する④発表やテストで内容を確認する 最近はさまざまな教科の先生のAL型の授業を見学させていただいているのですが、こうした共通点をよく見いだせたのです。 例えば物理の授業なら、①各自が問題を解き、②ほかの人と意見交換し、③それを参考に考えを深め、④最後に確認テストをする。英語の授業であれば、①あるテーマで各自が英作文し、②その内容を少人数で読み上げて共有し、③ほかの人の作文も参考に英作文を加筆修正し、④発表する、といったようにです。グループをどのように組めばいいか悩んでいる。既存の班や席順で分けると、明らかにうまくいっていないグループが出てくる。グループ全体で話し合ってほしいが、学力が高い生徒からそうでない生徒まで、全員が食いつく課題を設定するのが難しい。「生徒一人ひとりの役割が固定されない」ことを第一に考えてみては。くじ引きも一案。一人でできる「安心をもたらす問題」とみんなで考える「難しい問題」を組み合せて。グループの組み方ワークの課題設定回答回答142014 DEC. Vol.405

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