キャリアガイダンスVol.405
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 社会が変化し、学びのゴールが変わっていくなかで、今までと同じ教育を続けていていいわけがありません。近代国家の成立以降、質の保証と統一を目指してきた日本の教育は、決められた問いに対して同じ方法で答えを出すことが求められる、いわば正解ありきの授業が長く続いてきました。そのため、生徒の多くは答え待ちの状態で授業時間を過ごしてきたといえます。 もちろん授業で先生方は、教科書の内容をそのまま伝えるのではなく、独自のスタイルでストーリーを組み立てられていると思います。例えば理科の授業で、「断熱膨張」や「飽和水蒸気量」「凝結核」について教えたいとき、「雲はどのようにできるのか」というテーマで、次のように説明することもあるでしょう。 「水蒸気を含む空気の塊が上昇すると、上空は気圧が低いから膨張する。気体は膨らむと温度が下がるのだけれど、飽和水蒸気量といって温度により保てる水蒸気量は決まっているから、温度が下がることで水蒸気があふれてしまう。それが埃などの凝結核にくっつくことで水滴となり、 こうした授業を学習者中心の形にしていきたい。先生が解説して答えを提示するのではなく、生徒一人ひとりがアクティブに答えを作っていきたい。そうした思いから、近年、さまざまな授業形態が教室に導入されてきました。 私たちが推奨し、各地の教育委員会などと連携して実践・研究している「知識構成型ジグソー法」という協調学習もそのひとつです。この授業では、先ほどのテーマであれば次のようさらに集まると雲になる」 一読しておわかりになりますでしょうか? これ、結構「わかりやすい」説明の例なのですが、どんなに熱心にわかりやすく説明したとしても、生徒がこれを理解するためには相当アクティブな思考を展開させる必要があります。にもかかわらず講義型の授業では、どの生徒がわかろうと努力しているのか、見当もつきません。ひょっとしたらアクティブなのは先生だけかもしれないのです。 しかも、このやり方で困るのは、生徒の考えと先生の説明が結びつかなかった場合です。例えば、雲を氷の粒だと理解している生徒がいたとします。すると「先生は水滴といったけれど氷の粒だよね」と思いこんだまま、授業が流れていく可能性があります。そして、生徒にとってその認識の差を埋める最も簡単な方法は、「試験では、雲は水滴と回答しておこう。でも、空にあるあの雲は氷の塊だ」と、両方納得しておくこと。これで困らないのが教室です。に展開することになります。 まず、「雲はどうしてできるのか」という問いを投げかけたうえで、いくつかのグループに分け、それぞれ「断熱膨張」「飽和水蒸気量」「凝結核」という、問いを解くための鍵となる資料を配布します。各グループでそれぞれの資料についてある程度理解を深めた後、今度は違う資料を読んだ生徒がひとりずつ集まって新たなグループを形成します。そこで互いの知識を組み合わせることで答えを社会が変わるのなら授業も変わるべき「知識構成型ジグソー法」という実践222014 DEC. Vol.405

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