キャリアガイダンスVol.405
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函館稜北高校(北海道・道立)数値目標を設定し、全教員が実践 函館稜北高校は、2013年度から国立教育政策研究所の研究指定校として「協同的な学び合い」の実践研究に取り組んでいる。 同校では10年来、北海道教育委員会、文部科学省の指定を受け、学力向上のためのさまざまな実践研究を進めてきた。2009年度からは確かな学力の向上を目的とした「Wisdomプロジェクト」がスタート。協同的な学び合いの研究もその一環として行われている。図1は、21世紀型学力をベースに教員同士が話し合ってまとめた「稜北生に身につけさせたい力」。同校では、これらの力を総合的に伸ばすための具体的方策の一つに、協同的な学び合いを採り入れた授業改善を位置づけている。 2013年度から進められているのは、総合的な学習の時間での実践を軸にして、協同的な学び合いを全教科の授業に波及させる取り組み。 総合的な学習の時間の多くを協同的な学び合いで行い、1学年の早い段階でKJ法、ブレインストーミング法などの思考ツールを習得させる。これによって生徒は準備ができ、各教科の先生は総合の授業や先行するほかの先生の授業を参考に、自分の授業で協同的な学び合いをどう実践できるかを考え、採り入れていく。「とにかくやってみようというところから始めました。現段階ではすべての教員が全授業時間の1割に協同的な学び合いを採り入れることを目標にしています。ただし、やり方は自由。一定のサイクルで協同的な学び合いの授業を行う教員もいますし、毎回50分の授業時間の5分を使う教員もいます」(赤間幸人校長) 生物などを担当する岡田敏嗣先生は、実施のタイミングを重視する。「知識の蓄えがないとただの話し合いで終わってしまうリスクがあります。ですから、生物でこの範囲まで学んだ、総合でこの思考ツールを学んだ、情報で検索の仕方を学んだといった他教科も含めた学習の進捗状況を見ながら、授業のテーマ・内容と実施時期を考えています。また、生物の場合、実験やグラフの分析などで特に効果が高いのでその点も意識しています」すべての教科で授業時間の1割を協同的な学び合いにALに挑戦する学校&地域の取り組み取材・文/伊藤敬太郎教務部長岡田敏嗣先生総合学習委員長藤島尚子先生教頭竹内 琢先生校長赤間幸人先生 実際の授業の進行を見てみよう。図2の授業の目的はレポート作成力を養うこと。他教科(社会と情報)でレポートやグラフの書き方を学んだ後にこの授業を行っている。 ポイントになるのは展開(35分)の部分。先生が問いを発し、10分程度班ごとに議論して代表者が発表するというプロセスを3回繰り返す。この授業では、実際にレポートをまとめる際の思考プロセスに沿って順番に問いが投げかけられている。「この問いの内容やレベルが重要なので、事前にしっかりと準備します。難しすぎても議論が進みませんし、簡単すぎるとすぐに議論が終わってしまう。教科の知識の量だけを測るのではなく、他教科の知識も応用しなければ答えられないような絶妙な問いを設定すると、意外な生徒から意外な意見が飛び出し、おもしろい授業に1983年創立/普通科/生徒数438人(男子177人・女子261人)/進路状況(2013年度実績)大学44.3%・短大10.8%・専門学校29.7%・就職7.0%・その他8.2%アクティブラーニングを授業に導入する動きはすでに全国各地で始まっている。学校、教育委員会×地元民間企業、そして若手の先生たち││それぞれの取り組みが目指すもの、実践を通して見えてきたものとは何なのだろうか?282014 DEC. Vol.405

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