キャリアガイダンスVol.405
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なります」(岡田先生) なお、理解の早い班に合わせてテンポよく進めることもコツだという。 教科やテーマによってはジグソー法を応用した役割分担も有効(図3)。「テーマに対して班のメンバーそれぞれが異なる視点から資料を調べ、お互いに説明し合って、班の解答をまとめていきます。生徒はそれぞれが自分の役割を担っているので、責任感が生まれ、脱線しなくなりますね」(藤島尚子先生) このような個々の先生や教科単位の取り組みを共有しつつ、組織的に授業改善につなげていくために、授業評価の仕組みも工夫している。「本校では、教員同士による授業評価と生徒による授業評価の両方を行っています。教員への公開授業は各教科で最低年1回、生徒による授業評価は全教員が最低年1回、実施するよう決めています」(赤間校長) 教員同士の授業評価では、生徒の名前が記された座席表形式の評価シートを用意し、見学に来た先生は主に生徒の様子を観察。一人ひとりの生徒の動きや発言の多寡などを記入していく。生徒が学ぶ意欲をもって参加できているかどうかが最も重要な評価項目とされているのだ。 また、年4回、協同的な学び合いに関する研修会を実施。個々の先生の実践事例や授業評価の蓄積をベースに、その時点での問題点についてワークショップ形式で議論している。海外を含め、校外研修にも積極的だ。「原点にあるのは『私はこうしたい』という個々の教員の思い。研修などでそれをまとめ上げ、各教科へ、学校全体へと昇華させながら改革を進めています」(藤島先生) 一連の取り組みは現段階でどのような成果を挙げているのだろうか。「生徒たちはスムーズに対応しています。『くだらないと思うことでも発言していい』『他人の意見を否定してはいけない』といった意識も定着してきました。授業の進捗が遅れることもないですね」(岡田先生)「協同的な学び合いでは一斉授業でわからなかった生徒一人ひとりの特徴が見えてきます。教員にとってこの点も大きいですね」(赤間校長) 現在は失敗を恐れずに試行錯誤を重ねている段階。学力向上にどう結びついていくかなどの検証もこれから進めていく。ただし、函館稜北高校の先生たちは、実践を通して確かな手応えを感じているようだ。図1:稜北生に身につけさせたい力(校内研修まとめ)図3:ジグソー法の活用例図2:協同的な学び合いによる授業の構成例教員同士の授業評価では生徒の発言・動きをチェック1年 世界史A(5人グループ) ●多くの価値観を理解する力 ●批判的に考える力  ●課題発見力   ●計画力   ●考え抜く力    ●議論する力      ●コミュニケーション力      ●人間関係構築力     ●チームワーク    ●リーダーシップ    ●前に踏み出す力    ●働きかける力【具体的方策】●協同的な学び合いを取り入れた授業改善●総合的な学習の時間の充実●学校行事、部活動の活性化●きめ細やかな生徒指導、進路指導 ●健康・体力●豊かな人間性●自己理解●自己管理力●言語活用力●説明する力●知識・情報を 活用する力●数的処理生徒の学習活動指導内容・留意点評価の観点導入(5分)「社会と情報」の授業で作成したレポートを持参●グラフの書き方の採点結果から、グラフの書き方を再確認する班を4人1組で編成する●レポートにおける表と図・グラフに関する既習事項の確認●採点のポイントを再確認する●前回の実験結果からどのようなことが推測できるのかをこの時間で学習することを確認する図・グラフの書き方を理解したか展開(35分)事前に実施した細胞の計測実験の結果を示したプリントを配付●表からグラフを作成する●グラフ(結果)から何が言えるのかを班で話し合う●その結果からどのようなことが推測できるのかを班で話し合う●そう推測した根拠を班で話し合う●質問しながら解答を作成●グラフ(結果)から言えることを班の代表に答えさせる●その結果からどのようなことが推測できるのかを班の代表に答えさせる●そう推測した根拠を班の代表に答えさせる結果(グラフ)から言える事実を答えられるか事実から推測できることを根拠をもって答えられるかまとめ(10分)レポート用紙を配付●結果と考察を分けてレポートに書くことを確認●感想を記入しプリントを提出●結果には事実のみを書き、考察に推測および根拠を書くことを確認レポートでは結果に事実を書き、考察に推測・意見を根拠をもって書くことを理解したか1年 生物基礎 単元名「実験レポートの作成法:結果と考察編」テーマ:「ヨーロッパの歴史のなかで生み出された主権国家体制は絶対的なものなのか?─スコットランドの独立をめぐる住民投票から考える─」 A スコットランドとイングランドの歴史的な関係 B スコットランドが独立したい理由 C スコットランドが独立したらイギリスにどのような影響があるかD スコットランド以外に本国から独立したい地域E スコットランド独立派はどのような国家を目指しているのか担当:【生徒の動き】資料:新聞記事(6紙 NIE活用)、図書館資料、インターネット関連記事グループごとに役割分担を決める担当した項目を個人で調べる同じ項目の担当者が集まり、すり合わせグループに戻り、調べた内容を仲間に説明グループとして問いに対する解答を作成21世紀型学力基礎力豊かな人間性思考力実践力2章学びの本質に向かう授業改革292014 DEC. Vol.405

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