キャリアガイダンスVol.405
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沖縄県教育委員会×オーシャン・トゥエンティワンキャリア教育による学力向上を目指し、アクティブラーニング・リーダーを養成 教育現場では「学力向上」と「キャリア教育」は二項対立でとらえられがちだ。そんななかで、沖縄県教育委員会は、学力向上主要施策の柱の一つとして「キャリア教育の視点を踏まえた『確かな学力』の向上」を掲げている(図1)。その背景について、沖縄県教育庁県立学校教育課 指導主事の宮城竜幸氏はこう解説する。「沖縄は高校卒業者の進路未決定率の高さやニート率の高さなどさまざまな課題を抱えています。求められているのは子どもたちを自立した社会人へと育てていくこと。そのためキャリア教育には県全体で力を入れて取り組んできました。2014年に国立教育政策研究所が、『充実した計画に基づいてキャリア教育をしている学校ほど学習意欲も向上する傾向がある』という調査結果を公表しましたが、沖縄県教育委員会でも『学校教育はすべてキャリア教育である』という考え方が以前から基本になっていました。学力向上という喫緊の課題に関しても、キャリア教育が重要なツールになると考えています」 その具体的な方法としてここに来て浮上してきたのがアクティブラーニングだ。キャリア教育コーディネーターの企画により、2013年に小林昭文先生を講師に招いた研修会を開催。これがきっかけで県内の高校教員からの関心が一気に高まった。「アクティブラーニングは基礎的・汎用的能力の養成に十分資するもの。教育委員会としても学力向上につながるキャリア教育の一つとして注目しています。ただし、効果的な指導をするには相当の研究と実践が必要。人材をどう育成するかに関しては高い関心をもっています」(宮城氏) こうした流れのなかで2014年、沖縄県教育委員会の後援で新たにスタートした事業が、県内の教員を対象にした「キャリア教育プロフェッショナル教員養成講座 アクティブラーニングリーダー・コース」(講師:小林昭文先生)だ。主催は地元の民間企業であるオーシャン・トゥエンティワン。代表取締役社長の翁長有希氏に講座立ち上げの背景を聞いた。「当社は、人の育成を通して沖縄の活性化に貢献することを目的とした会社です。企業向けの研修も手掛けていますが、若い人材を育てる必要性を感じ、2005年からキャリア教育をテーマとした教員研修、授業の企画、キャリア教育コーディネーターの育成などに取り組んできました。当初はキャリア教育についてほとんどの先生が知らない状況でしたが、2012〜2013年にはある程度浸透し、周知の時期は終わったと感じていました。ただし、現場の先生方は『キャリア教育が何かはわかったが、日々の授業で何をやればいいのか?』という課題を抱えていました。私たちも何が提供できるのかと考えていたところ、アクティブラーニングが注目されるようになり、先生方に響きやすい実践的な手法だと考え、講座を企画したんです」 当時、教育委員会が前出の「キャリキャリア教育の視点を踏まえ「確かな学力」の向上を目指す日々の授業で何をすればいいのかが課題にア教育の視点を踏まえた『確かな学力』の向上」という方針をすでに打ち出していた。イベント型、単発型の取り組みではなく、日々の授業で実践できるキャリア教育が求められていた状況も後押しになったという。 講座のプログラムは図2のとおり。全6回30時間をかけて、アクティブラーニングの手法、考え方を実践的にマスターする内容となっている。並行して職場での授業改善の実践が求められるほか、毎回のようにA4用紙3〜4枚程度のレポート提出も課され、最終的には研究発表も行う。単発型の研修とは一線を画す中身の濃さで、図1:沖縄県の「学力向上主要施策」の3つの柱キャリア教育の視点を踏まえた「確かな学力」の向上の推進「わかる授業」の構築による「確かな学力」の向上の推進学力向上マネジメントによる「目標管理型評価システム」の推進123●夢や希望を持たせ、学ぶ意欲の向上を図る●学んだことを実生活に活用する力の育成を図る ●教師一人ひとりが主体的に研修に参画できるシステムを構築する ●授業の充実のために教育課程の「量」や「質」の管理を行う●各種調査を活用した授業づくりを行う●マネジメントサイクルを確立し、成果につながる取り組みを行う302014 DEC. Vol.405

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