キャリアガイダンスVol.405
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永田里美先生【国語】 西寝屋川高校(大阪・府立)「苦手教科」が思い込みだと発見することもある 以前からKJ法を取り入れるなど、生徒が参加している手ごたえを感じられるような授業を目指していた永田先生。しかし、前任の進学校から異動した1年目は「この子たちに基礎事項を詰め込まないと、と厳しく怖く(笑)一斉授業を中心にしていました」と言う。しかし、ため息をつき、イキイキした顔を見せない生徒を見て、生徒の興味・関心に沿った授業を考え始めたのが2年めにあたる昨年。このころ、姉妹校であるカナダの高校に引率で赴いた。「その学校では生徒がコの字に机を配列し、中心に先生や発表する生徒が立ち、お互いが意見を言い合う授業をしていたり、学校にWi‒Fiが飛んでいて、生徒の興味に応じてすぐにネット上の動画や画像を見たりする様子に刺激を受けました」 帰国してすぐに、タブレットとスクリーンを使った授業を開始した。 取材日の授業は学校設定科目である3年生の「実用国語」。昨年までは小論文など書くことを中心にしていたが、今年からは「書く・聞く・話す」、そして必ずふり返りや他者評価を入れる授業に転換した。この日のテーマは「スーパーのレジ袋は有料化すべきかすべきでないか」。同じ意見同士でグループを作り、意見の根拠となる具体例を挙げて、スピーチ原稿を作成し、グループごとにプレゼンボードを描いて発表する。 当初8つのグループのうち「有料化すべきでない」グループは1つだったが、具体例を挙げながら話し合ううちに意見が変化し、「すべきでない」グループが3つに増えていた。プレゼンボードはイラストを入れたり、文字を太く強調したり、アイデアは生徒たち次第。「スピーチ原稿を書くのが苦手でも、発表で話すことが得意な生徒がいたり、寡黙でも論理的な思考ができたり、イラストや構図で自分の意見を表現できたりと、生徒の得意分野はさまざまです。どれかひとつでも『これはできる!』と自信をもってほしい。ひとつでもできないと『国語は苦手』と自信を失いがちですが、表現方法はさまざまでも、自分で考えたことを自分の言葉で伝えられるようになることが大事なのです」 同校で生徒に対して行った授業評価のアンケートで、永田先生の授業は、すべての項目で教科や学校の平均を上回り、特に「先生は生徒の様子を理解し、授業を良くしたと思う」「授業に興味・関心をもつことができたと感じている」という内容で生徒が高い評価を示している。「大学受験志望者対象の講習で、生徒たちは2学期になって、小説の読み方に異論を唱え、自ら寸劇で心情を説いてみせたり、評論の読解では板書で図解してみせたり、しかも確かな根拠をもって説明するので私も感心するほど。能動性は着実に伸びています」カナダの姉妹校をヒントに双方向な授業を導入ALを通し、さまざまな才能を見せる生徒たち1979年創立/普通科/生徒数832人(男子320人・女子512人)/進路状況(2013年度実績)大学22.1%、短大6.1%、専門学校26.6%、就職32.4%、その他12.7%たえず生徒の発信が響き合う授業をしたい2章学びの本質に向かう授業改革332014 DEC. Vol.405

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