キャリアガイダンスVol.405
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高橋一也先生【英語】 聖学院中学高校(東京・私立)理論に基づき「本当に良い授業」を科学的に考える ネイティブの先生と共に、授業はすべて英語で進行。この日は人種差別をテーマに、差別のない世界にするためにはどうすべきかグループごとに考え、まとめたアイデアをスキット形式で発表するというもの。「21世紀は変化の激しい知識基盤社会。この時代を生き抜くためには、学んできた力だけでなく、探究する力や共に生きる力が必要です。それを養うためにはPBL(問題解決型授業)を取り入れたり、MI(多重性知識)理論に基づき、言語だけでなく体も使った授業が有効です。また、『本当に理解する』とは、学んだことを必要なときに即時にアドリブで使えることだと思います。演劇は、体やアドリブを使うことにフィットした方法だと考えています」 こう語る高橋先生は経歴が非凡だ。日本の大学院で学んだ後、米国の大学院でインストラクショナルデザインを研究、外資系IT企業や大学の研究員を経て現職に就いている。さらに、国際バカロレアの文学A教授資格も取得している。「教員を目指した原点は中学時代の日本史の授業なのです。土器を発掘したり、先生と一緒に何かを作りながら学ぶ授業がとても楽しかった。けれど高校では講義一辺倒の授業で全然おもしろくなくて、授業に出ずに一人で勉強してました(笑)。アメリカの大学院で衝撃を受けたのは、良い授業を科学的に研究していたこと。その法則に従えば誰でもいい授業ができるはずなのに、日本では教員個人の経験則だけに頼って、良い先生の授業がまわりに伝わっていないと感じたのです」 高橋先生はアメリカで学んだインストラクショナルデザインに基づき、50分間の授業に必ず「ガニエの9教授事象」のステップを組み込んだ構成にしているそうだ。また、先生が特に重要視しているのが、当事者意識をもつ生徒を育てることだ。「今の学校現場は実社会とかけ離れています。実社会では『あなたならどうするか?』と問われることが多いのに、教室ではそれがないので、教科で学んだことを自分のものとして応用できないのです。外部の人に話をしてもらうのも良いですが、日々の教科の中で実社会と結びつけられるのがALだと思います」 ALのメリットは創発性を伸ばせるところだと高橋先生は語る。「短い時間で、生徒たちがスキットまで作れる創造力と瞬発力はすごい。現在はALで、創発力と受験学力を共に伸ばすことのできるカリキュラムを考えています」21世紀型スキルを身につけるための授業理論に基づけば誰でも良い授業ができるはず1903年創立/普通科/生徒数463人(高校・男子校)/進路状況(2013年度実績)大学77.22%、短大0%、専門学校0%、就職0%、留学2.22%、その他20.56%コアがあり当事者意識をもてる生徒を育てたい!2章学びの本質に向かう授業改革

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