キャリアガイダンスVol.405
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 キャリア教育の実践のなかで、イベント型のキャリア教育の限界を感じていました。確かに、すばらしいプログラムを作って頑張っておられる先生はたくさんいらっしゃいます。ですが、それはそれで、頑張りすぎて疲弊していたり、「これがあるなら、もう十分だろう」とほかの先生になかなか広がらなかったり。私自身、行き詰まりを感じていました。 一方で自分では、国語の授業や小論文の指導を通じて「書く」「話す」「考える」という論理コミュニケーションに取り組んでいました。そこで、この授業そのものがキャリア教育ではないかと気づいたのです。 生徒が主体的に考え、行動できるようになる21世紀型能力を身につけるのがキャリア教育だとすれば、それを日常的に行うのは授業そのものだと思ったのです。 わたしはキャリア教育は、「主体性」と「自立」と「共生」が重要と考えてきました。それらを日常のなかでしっかり育むことが大切で、授業をはずしては考えられません。そうして最終的に行き着いたのが、アクティブラーニングでした。取材・文/清水由佳 撮影/成瀬友彦アクティブラーニングはキャリア教育そのものすべての先生が、すべての学校でアクティブラーニングの実践によって、生徒が主体的に学ぶ姿勢を身につける。それは、単に成績を伸ばすことだけではなく、生きる姿勢そのものにかかわってくるといえそうです。キャリア教育の視点からアクティブラーニングに注目する、鈴木達哉先生にお話をうかがいました。キャリア教育の行き詰まりを突破できるのは「授業」と気づいたのです取り組み始めた先生方へ。無理をせずに続けていきましょう三重県立特別支援学校西日野にじ学園校長鈴木達哉先生三重県立桑名工業高校、川越高校、津高校、神戸高校において、キャリア教育推進に尽力。県立高校全体のレベルアップのための高大連携やインターンシップ推進事業などにも貢献。2012年度より現職。著書に、『地方発!進学校のキャリア教育 その必要性と実践ノウハウ』(学事出版)。 例えば、都会の学校と地方の学校では、進路を考える際に違いがあって当然です。将来、地域のリーダーとして活躍する人材の育成が重要な地方の学校では、やはりその地域でこそ活躍できる仕事や職業に関するキャリア教育も必要になるでしょう。学校の特性によって、キャリア教育の具体的な内容は異なるべきだと感じています。 しかし、根底にあるコミュニケーションや考える力は生きていくベースになるもので、それを育めるのがアクティブラーニング。私にとってアクティブラーニングは、日常のキャリア教育そのもので、すべての先生が、すべての学校で行うべきものだと思っています。 そうはいっても、いきなり難度の高いことから始めてしまって、結果が伴わずめげてしまっている先生も少なくないと思います。どのようなやり方でも、「書く」「話す」「考える」ことが何かしら授業に入っていることが重要で、無理をしないこと。そして、段階を追って、先生も生徒も、互いに成長して進化させていければいいのではないでしょうか。2章学びの本質に向かう授業改革392014 DEC. Vol.405

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