キャリアガイダンスVol.405
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図3 「キャリアデザインⅡ」の振り返りシートおよび クラスプレゼン準備のワークシートき、実現しました」(石井誠啓先生) 事前準備で「肝」となったのは、生徒のグループ編成だ。生徒の希望に基づいて人数調整するなかで、石井誠啓先生は各担任と話し合い、男女比や友人関係、相性を踏まえて効果的な生徒の組み合わせを検討。「友達同士で固まらずに人間関係が広がるようにここは分けよう」「あえてこの2人は一緒にしたほうが自分らしくできそう」「このメンバーならこの生徒がリーダーシップを発揮できる」など、生徒一人ひとりのことを考えてグループを作った。「将来的にはそのような仕掛けをしなくてもよくなるのが理想ですが、現段階では、このグループ編成だからこそ成果が出たと感じています」(石井誠啓先生)東京都独自の新科目を踏まえた新しい実践も 具体的なプログラム内容をみてみよう。1学年「キャリアデザインⅠ」では、演技等を通じて自己表現やコミュニケーションを学ぶ「からだで感じるコミュニケーションワークショップ」(協力:ドラマケーション普及センター)、元青年海外協力隊が自身のキャリアや途上国での活動などを語る「Lifeストーリー」(青年海外協力協会)、自分の好みや特性について考える「右脳・左脳ワークショップ」(NPO法人16歳の仕事塾)などを実施。外部講師の協力によるものが多い。 また今年度は、東京都で検討されている「人間としての在り方生き方」に関する新教科の試行的実践も盛り込まれた(図2)。この新教科は都立高校全体で16年度から本格実施をめざすもの。今年度は約20校で試行的に行われており、同校もそのうちの1校だ。 授業で使うテキストも制作されており、「自己のよさを見出し選択し決断して自己のよさを生かす」「他者を正しく理解し充実した高校生活を送る」など20単元からなる。同校ではそのなかから4単元をピックアップし、5回の授業の題材としている。授業で生徒に配布する資料や指導案はテキストにあるが、同校生徒向けに慎重にカスタマイズしている。「例えば、部活を休みがちな生徒のエピソードを題材とする際、『部活が活発とはいえない本校の生徒がどう反応するか』『どう話せば身近な例として感じられるか』など、本校の生徒に響くよう、担当者が5時間程度の議論を重ねたうえで実施しています」(石井裕己先生)生徒一人ひとりの個性に合わせたグループ編成 2学年の「キャリアデザインⅡ」は、1学年よりさらに深く外部人材がかかわり、生徒主体の活動を増やしている。その目玉となるのは、1学期を中心に行うグループ別活動だ。 外部の団体・施設と連携し、高齢者との交流、小学校低学年との交流、古着回収、古本等回収、ビジネスプラン作成、ミュージカル発表、高校生記者の7テーマを設定。教科「奉仕」の役割も担うため、高齢者との交流や古着・古本の回収で社会貢献に関するテーマが目立つ。 連携先は、7テーマのうち2つは従来の総合的な学習の時間での関係を引き継ぎ、2つは都のネットワークを利用。残り3つは、2学年総合的な学習の時間担当の石井誠啓先生が独自に開拓した。「例えば、古本回収で連携したルームトゥリードジャパンさんは、数年前、マイクロソフトを辞して途上国の子どもたちに教育機会を届ける活動を始めた創設者の著書を読んで知った団体。事務局に依頼すると、高校からの声掛けは初めてだったそうですが、こちらの思いに共感いただ都のプログラムを活用し、UNHCR、ユニクロと連携。途上国の難民や貧困の現状を学び、校内のほか近隣の小学校にも呼びかけて古着を回収。計2234枚を回収、配送。■2学年【グループ3:古着回収】大学生ボランティアと連携。雑誌編集者や大学院教授など自分たちの興味関心のある社会人を選んで取材依頼。インタビューし、記事をまとめてプレゼンテーションで報告。■2学年【グループ7:高校生記者】昨年度までの活動をもとに、近隣の小学校を訪問。折り紙や絵本、宿題の手伝い等で交流。期間外にも学校行事(BBQ、お祭り)を手伝う。■2学年【グループ2:小学校低学年との交流】同校が独自に開拓したNPOコモンビートと連携。「自分たちでつくろう!ハイスクールMUSICAL」のテーマのもと、歌、踊り、チームワークを学びステージを考案、発表。■2学年【グループ6:ミュージカル発表】昨年度までの活動を継続し、近隣の特別養護老人ホームを訪問。ゲームや会話を楽しんだり、シーツ交換や車いすの清掃などを体験。■2学年【グループ1:高齢者との交流】都のプログラムを活用し、NPOブラストビートと連携。「2020年オリンピック開催にあたり、外国人観光客が喜んでくれるビジネスを生み出せ!」のテーマにチームで取り組んだ。■2学年【グループ5:ビジネスプラン作成】都のプログラムを活用し、NPOドラマケーション普及センターと連携。ゲームや劇を通して、自己表現やコミュニケーションの取り方を学ぶ。■1学年【からだで感じるコミュニケーション】同校が独自に開拓したNGOルームトゥリードジャパンと連携。途上国の現状を学び、近隣の小学校で回収した古本、CD、DVDをもとに総額2万2873円を寄付。■2学年【グループ4:古本等回収】※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.405)462014 DEC. Vol.405

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