キャリアガイダンスVol.405
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 職業観育成教育では、まず現実の問題として「働かなくてはならないこと」をしっかり伝え、「ではどうやって働くか」を問いかけます。生徒の視点に立ち、生徒の現実を知り、何が必要なのか考えていきたいものです。得意なこと、苦手なことを知ろう アルバイト経験がある生徒もいますが、狭い視野で「働くってこういうこと」「マニュアル通りにやっていれば大丈夫」などと考えて、大人になったつもりでいることがあります。学校が実施する職業観育成教育では、まずさまざまな職場や仕事があることを知ってもらいたいもの。視野を広げていくなかで、生徒が「これならやれるかもしれない」という感覚をもつのは大切な経験です。 次の段階では、興味のある仕事の中身を知ることができる体験を。また、販売員や保育士のような身近な職業だけでなく、日常の生活からは想像もできないような仕事の一端に触れる経験もさせてあげたいものです。 何が苦手で、何に喜びを感じるのか。販売? 物作り? 福祉? ざっくりとした分野でかまわないので、自分の適性を考えさせます。体験を通してその職業の実際を知り、自分には合わないとわかったら、方向転換する勇気も必要です。視野を広げ、自己有用感が持てる体験学習に自信と職業観を育成する進路多様校での体験型学習希望者のみ参加、全員参加、短期、長期と、さまざまな形で行われている職業に関する体験型学習。特に進路多様校においては、体験学習をどのように実施し、どのような効果を上げているのでしょうか。先生方の実感と生徒たちの気づきを交えてご紹介します。取材・文/永井ミカ事例とアドバイスで進路指導実践を磨く!最初の職場体験は短い期間でも大丈夫。また、体験が難しければ、見学して働いている方の厳しい表情を見るだけでも効果はあります。その代わり各事業所には少人数でうかがい、地域の大人とのかかわりをきちんともたせたいものです。働く大人に接して認められて自己肯定感を得ることができれば、生徒は先に進むことができます。自己肯定感を得るための体験は少人数でアドバイス1今号のアドバイザー次のステップの体験学習は「本当にこの職業に就いてやっていけるか」という視点を取り入れます。職種を非常に迷っている場合や就職希望の高学年の場合は、生徒の希望をなるべく具体的に取り入れた体験先を用意したいものです。生徒の希望に沿った体験をアドバイス2体験学習を単なるイベントにしないために、事前事後指導はしっかりと。事前指導ではなぜ体験するのかといった意味を伝えたり、あいさつなどの練習もしておきたいものです。事後学習で一番大切なのはアウトプット。何を得たのか、どんなことを考えたのかを自分の言葉にする振り返りが大切で、そのことが実際の就職活動で生きてきます。事前事後指導をしっかりとアドバイス3吉田美穂先生田奈高校(神奈川・県立)学習支援グループリーダー指イ導ンポト学習面や経済面で課題を抱えた生徒も多く在籍する神奈川県立田奈高校。ここで10年以上にわたり「支援」を柱とした学校づくりに携わってきた先生502014 DEC. Vol.405

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