キャリアガイダンスVol.405
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 10年前、全国の普通科高校として初めてデュアルシステム(以下デュアル)を取り入れた大阪府立布施北高校。昨年度よりデュアル総合学科も誕生し、長期インターンシップの取り組みで効果を上げている。長年の取り組みの成果で100以上の事業所が協力 同校のデュアルは、毎週1回同じ職場に通い丸一日職業体験を行う長期インターンシップ。2年生では半年ずつ、3年生では1年間、合計で3カ所の職場を体験する。2004年度から普通科の中で希望者が実施していたが、13年度よりデュアル総合学科が誕生し、1学年80人が必ずデュアル実習を行うことになった。長年の取り組みで地域と学校の間に信頼関係が育まれ、現在では100以上の事業所が協力している。 1年生の5月にハローワークを見学するが、これはデュアルの効果を最大限に引き出すねらいもある。あいさつ、服装といったマナー指導はここで徹底。また職員に「早めに進路を考える」ことの大切さなどを語ってもらい意識づけをはかる。さらに、仕事探しを疑似体験し、さまざまな職業があることを知る。そして、9月には2日間のインターンシップを体験。これらの体験と教室でのキャリア教育をベースに、10月には生徒が実習希望職種を提出。2年生の4月から、原則として1事業所1人でデュアル実習を行う。「同じ職場に長期で通うことによって得られる効果は大きいです」とデュアル総合学科長の湯淺健一先生。「やり通すことで自信が生まれます。デュアル経験者の離職率は低く、進学する生徒も目的意識をもって主体的に学校選びをしている」。一方で、生徒が体験先とのミスマッチを早々に感じてしまった場合、長期で通うのはつらい。「けれども、ここで頑張って通って我慢強さを養ってほしい」と言うのは、湯峯郁子校長先生だ。実際、体験先で励まされやっとの思いで乗り切ることもある。「期待を裏切れない」‥‥そんな気持ちをもったとき、生徒は成長するのだそうだ。これまで、デュアルコースを選択した生徒は中退しないし、就職もほぼ100%決まったという実績がある。「保護者や教員以外に心配したり励ましてくれる大人の存在はとても重要です」と湯峯校長先生は言う。 今後の課題は、地元の産業であるものづくりの人材を育成すること。後継者不足の問題もあり、地域からの期待は大きい。─CASE─半年、または1年間の職場体験であきらめずに貫徹する力を育てる│布ふせきた施北高校(大阪・府立)│地元産業であるものづくりの継承者を育成したい。働くロールモデルが不足。高校中退や卒業後の離職も少なくない。課題1978年創立/普通科・デュアル総合学科生徒数566人(男子231人・女子335人)進路状況(2013年度実績)大学3.8%、短大1.5%、専各16.5%、就職50.4%、その他27.8%■ デュアル体験発表より(抜粋)実習先:病院 実習先の方とお話をさせてもらっている中で、「実習生だといっても患者さんからすると、その場にいて職場の方と同じことをしている以上、実習生だからできないとか、実習生だから適当に患者さんと向き合っていたら良いとかは違うんだと、私のちょっとした行動で患者さんの命にかかわることにつながるんだ」ということに気づきました。 わからないことがあれば積極的に聞くようになり、患者さんとも自分から「おはようございます」や「体調どうですか?」など自分から声をかけられるようになり、患者さんも前よりも気軽に話してくれるようになりました。 お茶を飲むのを手伝ったり、トイレの介助をしただけなのに「ありがとう」や「いつもこんなことさせてごめんな」と言ってくれる毎日が、とてもやりがいのある実習になり大変楽しかったです。 実習はとてもしんどく、嫌になるくらい大変でした。だけど、やりがいや責任感を持つ大切さ、仕事の大変さを学ぶことができました。あきらめようとしていた看護師の夢もあきらめず頑張ろうと思います。実習先の皆様ありがとうございました。512014 DEC. Vol.405

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