キャリアガイダンスVol.405
51/64

 宮城県伊具高校は4系列(農学、機械、情報、福祉)からなる総合学科高校。生徒全員の進路保証をうたい、3年間を見通したキャリア教育を行っている。「目指すのは出口保証ではなく、本人が進路選択の可能性を知り、目標を見つけ、自分で道を切り拓いていけること」と言うのは、進路指導部長の鈴木英晴先生。同校では、多くの生徒が入学当初は漠然と自宅からなるべく近いところでの就職を望んでいる。「狭い地域で交通の便がよくないこともあり、生徒は外の世界を知りません」と鈴木先生。そんな生徒たちに広い世の中を見せたい、夢をもたせたい、という思いで2000年に希望者だけで始まったインターンシップは、04年には全員参加となった。 全員参加のインターンシップは2年生の9月に3日間行われる。生徒に希望を募り、学校はなるべく希望に近い体験先に依頼。今年度は98名の生徒に対し51事業所が協力してくれた。「この3日間は視野を広げるための期間」と鈴木先生。「事後の感想で、安易に進路を決めずもっと仕事について調べたいなどの言葉が出てくると、よく気づいてくれたなと思います」。 そして、2年生の3月に希望者による第2回目のインターンシップ(3日間)を実施。こちらは、就職のミスマッチ防止や志望の確認などが主な目的だ。再度福祉関係の体験をして覚悟を決めたい生徒、学校選びのアドバイスを直接聞いてみたい生徒など、毎年20〜30人が参加する。これ以外にもインターンシップの機会を用意しており(左図参照)、数名程度が参加している。 学校は、上級生の体験談を聞かせたり、保護者にも説明し、なるべく多くの体験ができるよう働きかけている。最近ではインターンシップ先で卒業生が指導してくれるなど、地域でも取り組みは定着してきた。「求人票をしっかり見るなどの効果があり、ミスマッチが減っている実感があります」と、進路指導部の加藤美恵先生は言う。「一度、働く側に立ってみる、視点を変えるという体験はとても大切。働くって大変だなというシンプルな思いが生まれるだけでも成長です」と鈴木先生。今後も多くの体験の機会を用意し、満足度の高い就職や進学に導いていきたい考えだ。─CASE─自己の進路を探求するため、3年間で20日間以上のインターンシップの機会を提供│伊いぐ具高校(宮城・県立)│地元企業への就職希望が多くミスマッチが起こる。外の世界を知らず、早くから進路を意識させることが困難。課題1920年創立/総合学科生徒数310人(男子162人・女子148人)進路状況(2013年度実績)大学2.0%、短大1.0%、専各19.8%、就職77.2%、その他0%■ 生徒の感想(抜粋)■ 伊具高校のインターンシップ● インターンシップに参加して、自分の目指すものが前よりもしっかりしたものになった気がします。● 就職と進学で迷っていたけれど、インターンシップで保育士になりたいと思えた。検定や資格など頑張りたい。● いつも客で行く視線と、店員という視線で、見えるものが全然違った。● あらためて自分に欠けているところがはっきりわかりました。保育士とは、ただ子どもが好きというだけではなれない職ということを知りました。● 本当に将来、自分の仕事になったら、この3日間より頑張らないと。大変だろうけど楽しいんだろうなと思いました。● 全員インターンシップ(3日間) 2年生の9月に全員参加で実施。● 希望者インターンシップ(3日間) 2年生の3月、希望者のみが参加。 生徒自身が訪問や作文で依頼し、 打ち合わせなども行う。● 土・日、長期休業中のインターンシップ(8日間) 最長連続4日間2回を限度とし、 卒業単位に認定される。● 平日のインターンシップ(6日間) 3年間で6日間、 授業日に行うことが認められている。※その他、学校休業日に実習することも認められている。違う分野を経験したり進路を確認するために複数回実施532014 DEC. Vol.405

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です