キャリアガイダンスVol.405
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右から進路指導主事矢野健一先生2学年主任東園剣輔先生2学年担任巽 隆男先生学問研究、職業研究の内容はそれぞれ冊子にまとめた。職業研究の冊子では、保護者や民間に勤めたことがある教員も、職業や仕事についての思いを寄稿。 愛知県立三好高校は「地域と共に進化する高校」として1975年に創立された、みよし市唯一の県立高校。大学進学と就職の生徒の割合はほぼ同じという進路多様校である。普通科と、全国でも有数の規模のスポーツ科学科を有し、常に学業と運動の両立を目指している。学問研究を先に実施し大学進学の意味を問う 同校では総合的な学習の時間を使い、3年間を通してさまざまな体験学習を取り入れている。1年生では春に長野県での村民体験を実施。秋は大学や専門学校から講師を招いての模擬講義、冬は社会人講話。これらは、各学年が行う進路指導に加えて学校主導の体験学習として、毎年決まったスケジュールで実施されてきた。 一方で、進路指導主事の矢野健一先生は「最近、学校選びが職業や資格と直結しすぎている」ことに課題感をもっていた。「しかも、その職業や資格は比較的身近なものばかり。資格取得のために大学進学を考えている生徒も多い。それもいいですが、なかには学問から大学進学を目指したり、思い切り視野を広げて知らない世界を開拓する生徒が出てきてもいいのではと考えていました」。 そこで、1年生の進路指導の職業研究、学問研究という流れを変え、学問研究を先に実施してみることにした。そうすることで、生徒の目がまずは学問に向く効果が出るのではないかと考えたのだ。また、学年団が時期をうまく設定することで、秋・冬の体験学習と進路指導が連動できるとも考えた。学問や職業について調べることで主体性を引き出し視野を広げる 実践したのは昨年度の1年生から。学年主任の東園剣輔先生は、各体験学習の事前学習として学問研究、職業研究に力を入れることにし、その資料として適性検査「R-CAP」を活用した。「『R-CAP』は前年度も1年生の4月に実施しましたが、結果を生徒に戻して終わっていました。さまざまな学問や職業について解説した附属の冊子が充実しているので、これを活用しないのはもったいないと考えていたのです」。 まずは、秋の体験学習(模擬講義)の前に、興味をもったり適性があった学問を調べる。生徒は調べた結果を5〜6人のグループで持ち寄り、各グループがそこから選んだ2つの学問についてまとめる。これらの調べ学習のときに生徒全員が持っている「R-CAP」の冊子を活用した。冬の体験学習(社会人講話)の前にも、今度は職業で同じことを実施。生徒の調べ学習の結果は冊子としてまとめ各クラスに配付し、事後学習としてレポートの作成も行った。 今、その生徒が2年生になり、進学希望者が例年より増えているという。また、「知らない学問や職業を調べてみようという主体的な姿勢が見られるようになりました」と東園先生。さらに「進路について考えが深まり、例年より目標を固める時期が早い」と言うのは、同じく2年生を受けもつ巽隆男先生だ。「『R-CAP』を受けてまずは自己理解。そして、学問研究↓模擬講義↓職業研究↓社会人講話と1年生のいい流れができたと思います」と矢野先生。今後も、事前事後指導をていねいに行うことで行事をより効果的に実践していく考えだ。また、今年度の1年生では新聞を使い「知らないことを知る」学習をするなど、視野を広げ、生徒間で情報を共有する進路指導に、ますます力を入れている。リクルートサービスを活用した学問研究、職業研究に「R-CAP」の冊子を活用─三好高校(愛知・県立)─創立1975年/普通科・スポーツ科学科生徒数936人(男子496人・女子440人)進路状況(2013年度)/大学進学30%・短大進学11%専各進学20%・就職34%・その他5%愛知県みよし市三好町東山110-1 0561-34-4881 http://www.miyoshi-h.aichi-c.ed.jp取材・文/永井ミカ■ 学問研究ワークシートグループワーク用のワークシート。グループワークにすることで内容を共有し、より視野を広げることができる。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.405)R-CAP592014 DEC. Vol.405

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