キャリアガイダンスVol.405
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発表する。グループ全員が理由を説明できるようになることが目的だ。「生徒からは『先生の説明がわかりやすくなった』という感想が多くなりましたが、説明は以前と変えていないのです。説明する前に考える時間を設けているため、腑に落ちており、わかりやすくなったと感じているのだと思います」 浅野先生の授業も、小島先生、家村先生同様、毎回の小テストに始まり、この日のテーマの漢文作品について、隣や前後の席でのペアワークやグループワークで読み方や書き下しについて話し合ったり、教え合う形式で授業が進行。浅野先生は一つひとつの作業を、ストップウォッチで計って、終了時を決めたうえで生徒が考え、答えを出す時間を与えていた。「ALを始める前は、生徒は漢文は嫌いなのだろうと思い込んでいたのですが、教え合ったり、説明させようとすればできるんだ、と気づきました。講義形式の授業のときは、当てた生徒の理解度しかわからず、生徒全員の手応えがわからなかったのですが、ALでは、少しのヒントからペアやグループで、ああだこうだと言い合っているうちに段々と答えに近づいていくのが目に見えてわかります。そして『わかった!』という瞬間の生徒の顔を見る機会が増えたことを実感しています」 鵜戸先生のこの日の授業は、経済成長と景気変動、物価のしくみについて。実際に世の中で起きている事例を用いて、経済動向についての講義の後、グループに分かれて「非正規雇用と景気の関係」について考え、グループで導き出した意見をホワイトボードにまとめる授業だ。「グループワークの間は自分が巡回できるので、生徒が理解できているかを授業内で確認できます。ALを始めたばかりの昨年は話し合いが進まなかったり、時間内で終わらないことがあったため、今年は私から質問を投げかけて会話をはずみやすくしたり、時間を区切るように改善しました。生徒たちも『ALに慣れてきた』と言っていますが、それより教える側の自分が慣れてきたんだと思います。また、同じ社会科でも、現代社会は生徒が当事者意識をもちやすく生徒同士が議論しやすい科目ですが、歴史などはグループワークをするまでに前提知識が必要になるため、方法を変えなければいけないと感じています」 森井先生は図形を表す方程式の授業を行っていた。先生の基本解説の後、演習で黒板に書いた問題に対して、生徒が自由に考えを発言していく。1人の生徒の意見について、正しいか、違うならどう違うのか、次々に他の生徒の考えを聞いていく。別の問題では、わかった生徒とわからない生徒で席を移動させてグループを作り、解答の導き方をそれぞれに話し合ってホワイトボードにまとめさせていた。「数学は正解よりもアプローチが大事だと、以前から生徒たちには言っていました。AL=グループワークというわけではないので、講義型でも生徒が声を出せたり、頭を動かす時間が重要です。こうした授業をしていると、『そういうことだったのか』と数学を怖がらなくなり、手取り足取りでなくても生徒が能動的にやるようになってきた。声に出せば、間違いなら仲間や私がそれを指摘できますし、合っていれば私もほめます。自分で考えて正解にたどり着いた生徒は本当にいい顔をします。ALを始めてからほめる回数が増えました。古典B(2年次)浅野まり恵先生数学Ⅱ(2年次)森井昌邦先生現代社会(1年次)鵜戸紘一郎先生▲各班の答えを一斉に共有するのにもホワイトボードは有効なツール◀演習のグループワークはホワイトボードを活用◀グループで書き下しをしている間、先生に自由に質問できる▲講義からグループワークへの転換も生徒たちはすぐに移動し無駄がない▼なぜその答えを出したか、アプローチはグループによって異なっていた82014 DEC. Vol.405

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