キャリアガイダンスVol.405
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 アクティブラーニング(以後AL)型授業への関心が高まっているが、そこにたどりつくまでの経緯は、実は先生方によってだいぶ違う。どのような先生がどういった思いからこの分野に引き寄せられたのか、そして今、どこに課題を感じているのか。ALをめぐる高校の現場の動きを、産業能率大学の教授である小林昭文先生と、入試企画部長である林巧樹氏にお聞きした。小林先生はAL型授業指導の講師として、林氏はALを学ぶセミナーの企画担当者として、2000年代終盤から現在まで高校の先生たちとかかわり続け、ALの普及を後押ししてきた立役者だ。 そのお二人が、AL型授業に引き寄せられた先生のタイプの一つにあげる 各地の高校を回るようになると、小林先生や林氏は、キャリア教育の文脈とは違うところでも、ALを取りのが、キャリア教育や総合的な学習の時間のプログラムを担当してきた先生だ。総合的な学習の時間などで行ったグループワークや探究学習に、生徒が主体的に、生き生きと取り組むのを目にして、教科の授業も同じようにできないか考えるようになる。 そもそもとして、元高校教師である小林先生がまさにその一人だった。小林先生は、最終勤務校の埼玉県立越ヶ谷高校で、2007年度よりAL型の授業に取り組んできた。「私の物理の授業では居眠りをしていた生徒が、キャリア教育のグループワークでは溌剌としているんです。社会学の本を読む中で、これからの社会では主体性やコミュニケーションの力が問われるという認識も強まっていまし入れる土壌ができつつあったことを実感したという。従来の教科授業に、多くの先生が漠然とした行き詰まりを急速に普及したALの「現状」と「課題」アクティブラーニング型の授業の導入で、大きく変わろうとしているのは、藤沢清流高校だけではありません。一過性のブームではなく、時代の要請とも思える、アクティブラーニングをめぐる教育現場の変化を追いかけました。取材・文/松井大助 撮影/平山諭日常の授業をキャリア教育にしたい、そう考えた先生たちが興味をもった進路多様校の先生も、進学校の先生も、従来の授業の閉塞感を打ち破ろうとしたた。そこで、生徒たちが調べたり話し合ったりして自ら学ぶ物理の授業を目指したのです」 また、特別プログラム頼みのキャリア教育に限界を感じた先生たちが、普段の授業の意義を見つめ直す中で、ALに向かったケースも多い。 産業能率大学で、2007年度より高校の先生向け「キャリア教育推進フォーラム」を企画してきた林氏も、そうした先生と何人も遭遇してきた。「募集担当として高校訪問を重ねる中で、キャリア教育の重要性や、先生方の要望に気づきフォーラムを始めたのですが、先生方がよくおっしゃっていたのは、『イベント型キャリア教育だけでは、生徒の主体性や社会的な能力を高めようにも定着しにくい』ということでした。『日常の授業そのものをキャリア教育にすべきではないか』と。そうした際に小林先生のことを知り、授業を拝見してこれはすごいと思い、2009年の第3回フォーラムで公開授業をしてもらったのです」 小林先生と林氏は、次第にフォーラム以外でも、AL型の授業に興味をもった各地の高校から講師に招かれるようになった。102014 DEC. Vol.405

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