キャリアガイダンスVol.406
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ーーー 自校のキャリア教育の評価について実施状況をたずねた(図表8)。「評価方法の策定をし、運用している」は12%、「評価の方法を検討・研究中」22%まで合わせると、実施校の約3分の1がキャリア教育の評価に対し意欲的である。キャリア教育の実施体制別にみると、キャリア教育を学校全体で実施している高校で運用・検討率が最も高い。実施・検討中の評価方法の詳細をみると(フリーコメント2)、生徒による自己チェックシートや、新手法としてルーブリックなどが具体的にあげられている。評価実施校では校内のみならず校外とも連携し、評価↓検証↓改善の仕組みを運用している例もみられる。 一方、検討・研究中の高校、評価予定のない高校に、それぞれの理由をたずねた。検討・研究中の高校は、客観的指標による評価の必要性を認識しているが、客観評価の難しさや学校内のキャリア教育の進展度合いなどの事情が実施に至っていない要因でもありそうだ。また評価予定はない高校では、生徒の将来設計を含むキャリア教育は〝評価に適さない〞という認識が強いようである。 ■ 評価方法の策定をし、運用している ■ 評価の方法を検討・研究中  ■ 今のところ評価をする予定はない  ■ 無回答図表 8 キャリア教育の評価の実施状況(キャリア教育実施校/単一回答)(%) 01020304050607080901002014年全体       (n=989)キャリア教育実施体制別学校全体で実施  (n=724)学年で実施    (n=197)教員個人が実施   (n=31)実施体制不明  (n=35)■評価実施校:策定・運用している指標・方法生徒の評価○年間を通しての自己評価と、インターンシップ等における受入先の評価など。(山形県/県立/普通科)○自己評価と、レポートやポスター作成といった成果物での評価を行っている。一部はコンテストに応募する形で外部評価もある。(岡山県/県立/普通科)○Can-Doリストを作成し、アンケートを学生に行っている。達成度をはかっている。(秋田県/県立/普通科)○担任が取り組みの姿勢、プレゼンテーション、提出物(報告書、ノート等)で評価しています。(群馬県/県立/普通科)○1年は授業ごとにワークシートを提出させ、5段階で評価。2年、3年は点数化し、文章表現による評価。(大阪府/府立/総合学科)プログラムの評価 ○プロジェクトチームに各学年主任・教務部・生徒指導部・進路部の各部長が入っており、半期で中間評価、年度末に各項目や目標を5段階で評価し、次年度の課題やシラバスの修正などを行っている。現在は、生徒からの評価について検討中である。(福島県/私立/普通科)○生徒、保護者に対してのアンケートを実施。学校評議員会を経て次年度の計画策定にフィードバックしている。(神奈川県/県立/普通科)○文科省のアンケートに協力し、その結果をもとにして次年度の方針を検討したり、毎年度末に教員アンケートを実施して、教員のアイデア等も吸収している。(山口県/県立/普通科)○生徒にはチェックシートを記入させ、活動前と後で変化があるかをキャリア担当の教諭がデータ化し、校内研修会や文部科学省で発表していた。(昨年までキャリア教育推進校に指定されていた)。(青森県/県立/専門高校)■評価検討・研究中の学校:その理由生徒の評価○生徒の成長度と取り組みとしてのチェックについて何らかの評価をしたいと考えている(ルーブリック、PDCAなど)。(東京都/私立/普通科)○現在は認定だけなので個別に評価をし、その中で意欲や目標を持たせられるようにしたい。(大阪府/私立/専門高校)○客観的な評価の仕方がわからない。分析の仕方が難しい。数値ではかることは、本来あまり意味がないのではないかと思う。(岩手県/県立/普通科)プログラムの評価 ○評価がなければ目的もぼやけてしまい、キャリア教育の意義の理解が教員にも進まない。(愛知県/県立/普通科)○実施したものに対して、評価をしなければ改善されていかないので。また、評価基準がわかっていると、実践の計画もしやすいので。(神奈川県/私立/普通科)■評価予定なしの学校:その理由生徒の評価○授業や日々の家庭学習で、心を鍛え、基礎学力や受験に対する学力をつけることが大事なことで、大学や将来の仕事に役立つ。そのことの評価は難しいが、「キャリア教育」として評価すべきとは考えない。(富山県/県立/普通科)プログラムの評価 ○数値化することも大切だと考えますが評価はすべきではないと思います。キャリア教育の必要性を感じない先生方に示す資料として数字は説得力が出てきますが…評価対象となるとそれとおりの考え方、教員側の方向性に偏り、本来の生徒がもつ自己形成につながらなくなるのでは?(埼玉県/私立/普通科) フリーコメント 2キャリア教育の評価の運用状況・検討理由・非実施理由キャリア教育の10年を検証する【DATA Ⅰ】検証編172015 FEB. Vol.406

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