キャリアガイダンスVol.406
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員個人が実施の学校では、「教員間の共通認識不足」が最多であるほか、教員の「知識・理解不足」「指導力不足」「管理職のリーダーシップ力」「教員が変化を望まない」が高く、教職員間の理解・共通認識不足が組織的な取り組みを阻んでいると考えているようだ。 キャリア教育実施校では「教員の仕事」「キャリア教育担当部署の仕事」は08年以降増加し続けている(図表10)。さらに14年の状況を実施体制別にみると(図表11)、「教員」「キャリア担当部署」とも、学校全体で取り組む学校で仕事量が「増した」が特に高い。キャリア教育推進の阻害要因として「教員の負担」があげられたが、まさに現在、推進にあたり、教員・担当部署の業務負荷が増大しているという実態がうかがえる。 キャリア教育の効果が実感され始めた今、生徒のために推進したい志や想いと、負荷を背負い疲弊しつつある現実との狭間で現場にジレンマが生じている。さらなる進展のためには、この問題を組織的に解消することが必要不可欠となっている。「教員・担当部署の仕事量増加」と7割が回答■教員の負担の大きさキャリア教育実施校○通常の授業の準備、部活動、進路面談、放課後講習などに加えて、効果があるかどうかの評価軸がないものに力を入れる余裕がない。(北海道/私立/普通科)○計画にみあった実施のための詳細な準備や、事後検討のための時間が追いついていない。(広島県/県立/普通科)○個々の学校だけでは十分対応できない問題も多い。県レベルでの配慮もいただけるとありがたいと思う。仕事が増しているから人手も増やしてほしい。(愛知県/県立/専門高校)○今していることが、すでに負担が多い。学校がすべきこと、家庭や社会がすべきこと、またその協力などを決めないと、その多くが学校の範囲とされてしまう感がある。(愛知県/県立/普通科)キャリア教育非実施校 ○現行の教育現場での多忙さの中で、さらに仕事が増えることで教員の負担が増えるので。(千葉県/私立/普通科)○教員数が不足している。1人で複数の公務分掌を兼任している。(沖縄県/県立/専門高校)■実施時間の不足キャリア教育実施校○実施には時間がかかりやらせたいこと、やりたいことが多くカリキュラムではこれ以上深めていくのは厳しい。(東京都/私立/普通科)○通常授業での実施となると年間プログラムが計画しにくい点と、長期休暇での実施となると他の講習、合宿などとの日程調整が難しい点。また、企業とのつながりについて、相談窓口の少なさが難しくしていると思われる。時間的な制約が多い点が大変難しくしている。(東京都/私立/普通科)○特定の時間のみの実施となっており、継続した取り組みが持続できない状況にあるため。(福島県/県立/総合学科)○限られた時間での実施は企業にとっても生徒にとっても中途半端になっている。(愛媛県/県立/専門高校:工業)キャリア教育非実施校 ○キャリア教育は非常に大切だと思う。しかしながら大学進学を目指すなかで十分な時間がとれないのが現実である。(京都府/私立/普通科)○教育課程をこなすだけで時間がいっぱい。“総合の期間”などを使い、「キャリア教育」を進める手もあるが…教員の負担が増えすぎる。そもそも今までなかったことを教えるためには、かなりの努力を要する。(兵庫県/県立/普通科)■教員の知識・理解不足キャリア教育実施校○教員が社会の変化に対応していない。学校はいつまでも同じことを教える場になってしまっている。社会変化と周囲のニーズを理解させないと、意識は変わらず、旧態依然となってしまうだろう。(岡山県/県立/普通科)○教育委員会レベルでも「職業(感)教育」のみと捉えている様子があり、それでは大多数の学校現場では、前向きな姿勢が出てこないと思う。(富山県/県立/普通科)○教員間のコミュニケーション不足。温度差が大きい。やれる教員がやればいいという形式が多い。無関心な教員もいる。(神奈川県/私立/普通科)○私は民間企業にいたので感じるが、学校を終わって学校の現場にいる先生方は、企業についてや産業についての認識が甘い。特に若ければ、とはいっても、もともと教員志望であれば教育現場に来るのが当然であるし、非常に難しい問題とは思う。(青森県/県立/普通科)キャリア教育非実施校 ○現状で何が不足しているのか、何が必要なのか、それがキャリア教育というものとどうつながるのか、検討されていない。(東京都/私立/普通科)○教科指導との関連性が難しいのではないか。(沖縄県/県立/普通科)■教員間の共通認識不足キャリア教育実施校○ベテランの教員の古い考え方と、現在進めようとしているキャリア教育、指導方針との温度差。今後取り入れたいライフプランニング的な要素に対する不勉強など。(静岡県/私立/普通科)○キャリア教育が特定の時間に限定して行われるものだと考える教員が多いように思われるため。(岡山県/県立/普通科)○毎年の人事異動の中で、マニュアルだけではわからないところを継承していくことが難しく感じるため。(島根県/県立/総合学科)キャリア教育非実施校 ○教員一人ひとりが抱えている業務があまりに多岐にわたり多く、教員一人ひとりの価値観や考えが大なり小なり様々なので、共通認識を持つことが難しくなってきている現状があるから。(大阪府/私立/普通科)○教員がそれぞれの問題意識を持って、様々な取り組みを行っているが、キャリア教育を行うことで、系統立った取り組みができることが理解されていない。(北海道/村立/その他) フリーコメント 3キャリア教育を進めていくうえでの障害キャリア教育の10年を検証する【DATA Ⅰ】検証編192015 FEB. Vol.406

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