キャリアガイダンスVol.406
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けられ、それぞれ「一人ではできないことがあるとき、周囲の友人に助けを求めることができる」など、生徒が場面をイメージしやすい表現で記述されている。 チェック項目は、基礎的・汎用的能力に基づいた4つの力(A:社会とつながる力、B:自分をみつめる力、C:見つけて動く力、D:前へ進む力)にも分類されており、シーンだけでなく、能力の種類別にも自分の現状を把握することが可能だ。 1年生は63項目のうち基礎的な内容の22項目のみ回答。学年が上がるとともにレベルが高い項目が増えていき、3年生はすべてに回答する。 実施のタイミングは、現状では1、2年生の9、12月と3年生の9月。複数回取り組むことで自分の成長を自覚できるようになっている。 このCan-Doリストのねらいについて佐々木先生はこう語る。 「生徒自身が、今の自分にできること、できていないことを把握することを目的として導入しました。集計した数値で個々の生徒を評価するためのものではないので、回答方法はシンプルに『できる』と思った項目に○をつけるだけにしています。また、すべての項目をしっかりと読むことで、今後自分がどんな力を身につけていけばいいかを知ってほしいというのもねらいの一つです」 一般的に、生徒は「人付き合いが苦手」といった程度の自覚はあっても、現実的に何を改善すればいいかまではイメージしにくいもの。Can-Doリストではその点が具体的につかめるというメリットがある。「ポイントは日々の指導にCan-Doリストの要素を取り入れることですね。例えば、きちんと計画を立て、状況に応じて計画を修正することの必要性を定期考査の前に指導するなど、適切なタイミングで意識させることが大切です。それによって、生徒はより進路指導部副主任理数科主任 第3学年佐々木 望先生生徒が自分自身の現状を把握するためのツール図1 由利高校「Can Doリスト」(一部抜粋)1年適切な学習習慣の確立と自己理解○A授業などにおけるルールを守って学習活動に取り組んでいるB自分の得意な教科、興味のある領域を自覚しているB授業中に、指名されなくても自分の考えをもっているA他人の発言を、理解しようと思いながら聞いているC定期考査の前に計画を立て、取り組んでいるD授業などで取り組んでいることは、将来の自分の力になると考えている2年自己の適性や興味を理解して伸長する○Cわからないことや興味のあることを調べたり質問したりできるB興味のある学習には進んで取り組み、努力を継続できるA自分の考え方や解き方を他人が理解できるように説明できるD将来の目標を実現するために目標を設定できるC考査前の学習計画を、結果を分析して修正できるB学習へのモチベーションを高めるために方法などを工夫できるA他人の考え方や解き方に目を向けることができる3年学習した内容を活用する○D自分がなりたい職業に関わることについて、情報を収集し探究できるC成功や失敗の経験を通して、方法や計画の続行や修正を考えることができるA自分と他人の考え方や解き方の違いを比較し、よいものを吸収できるC以前学習した内容、他科目で学習した内容との関連に気づくことができるB学習の成果があらわれなくても、あきらめずに学習を継続できる現実の場面と結びつけて考えられるようになっていきます」 2年次には、Can-Doリストの結果を自分で分析し、目指している職業で必要とされる能力と照らし合わせて、どんな力を磨いていけばいいかを考える時間も設けている。このような指導を通して、生徒はCan-Doリストの項目が将来の仕事と結びついていることも認識していく。 このほか、全体・学年別などの数値の集計・分析結果は、授業内容や指導の改善にも応用できる。「予想されていたことですが、本校の場合、『社会とつながる力』『自分をみつめる力』は比較的よく、『見つけて動く力』が弱いという結果が数値でも出ています。この点は授業改革などに反映していこうと教員間で話し合っています」(佐々木先生) 育てたい生徒像を明確にし、生徒の振り返りを通した自己成長を主眼として設計された同校の評価のあり方から学ぶことは多そうだ。A:社会とつながる力  B:自分をみつめる力  C:見つけて動く力  D:前へ進む力scene1 学習への取り組みについて※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.406)キャリア教育の今後を展望する先進校の取り組む「組織」「評価」「授業」352015 FEB. Vol.406

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