キャリアガイダンスVol.406
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■ 参加した先生方の教科にも還元できるのが情報の教科だと考えています。学んでほしいのは、一つはICTリテラシー(※②)。「情報とコミュニケーションの技術」を駆使し、「何らかの表現されたものを、適切に理解・解釈し、分析し、また記述・表現する能力」のことで、今の時代を生きるのに不可欠な力だと思うのです。二つめは問題/課題解決能力。情報では「問題解決学習」が単元の一つでもあるんです。授業はプロジェクト型学習が基本。その中でマインドマップやKJ法などの思考ツールを使い、情報を整理したり関連づけたりするという「考えるプロセス」の可視化も行っています。生徒はその手法を、他の教科学習にも生かしています。番やりたいのは「学ぶとはどういうことか」を生徒が考えることです。私は、学びとは自分とまわりとの相互作用で生じるもので、受け身でなく「主体的」であってこそ深まると考えています。学ぶことは、個人的営為にとどまらず「社会的営為」「社会参加」につながるとも。また、多重知能理論にあるとおり、言語の学びが得意、体を使った学びが得意など、人の学びは多様です(※Keyword①)。こうしたことを生徒が考えていけるよう、授業では、生徒同士がかかわる協働学習を重視し、演劇なども取り入れています。DiscussionやDialogueを通して、生徒が「学ぶことはなぜ重要か」を考える授業も目指しています。社会で役立つ力というと、社会への「適応」を考えがちですが、身のまわりのことを「本当にそうかな?」と批判的に見るような、社会に「抵抗」する力がより重要だと考えています。社会科を学ぶ目的は、不当な社会の状況や時の権力者の暴走に「抵抗」し、市民のための社会を実現することにあると思うのです。常識を鵜呑みにせず疑えるよう、授業では生徒の抱きがちな常識をひっくり返すことを大切にしています。社会を批判的に見るには「資本主義と共産主義」「国家の成立」など、普段の生活を送るだけでは身につかない概念の理解も必要で、そこにこそ社会科を学ぶ意義がある、とも感じています。懐疑的なものの見方や本質を探る力を得てほしいかが示したことに対して「その方針、どうだろう?」と考える姿勢をもってほしいです。根拠の追求もなく信用すると危機に陥りやすい時代であり、数学でいえば、その懐疑的なものの見方が新しい定理の発見につながるからです。授業では、生徒全員が答えを知らない問題を「こうも考えられない?」とみんなで探究することを大事にしています。情報化社会では上辺の情報で判断すると誤りやすいので、本質を探る力も高めたいです。僕の板書は非常に整理されていないのですが(笑)、生徒はそこから本質を探って自力でノートを作ります。そしてもう一つ、数学と美のつながりも生徒にぜひ感じてほしいです。誰科一ア実他や科学とは何かを学び、科学的な見方や考え方の習得も学技術なしに私たちの生活は成り立たなくなっています。ところで、科学とは実証性、再現性、客観性の3要素により成り立つものです。根拠に基づき観察や実験で実証できる。誰が行ってもくり返し再現できる。誰からも客観的に認められる。これら3要素を踏まえた上でグループの話し合いや実験、自己評価や相互評価等を通じて自己を見つめ、科学的な見方や考え方を育てることを大切にしています。その基盤には基礎的な知識も必要なのでその習得も。多くの生徒がこうした見方や考え方を身につけ、実社会における問題解決へと応用してほしいと願っています。学ぶとはどういうことか? まずはそこを考えてほしい高橋一也先生聖学院中学高校(東京・私立)社会に抵抗する力とそのための社会科の教養を吉田英文先生稔ヶ丘高校(東京・都立)声をあげることから始め、マイテーマを見つけてほしいートが個々の内にどう生まれるかを考えると、まずは声をあげることだと思うんです。モヤモヤした状態で、もっと声をあげていい。そのことを学んでほしい。なぜなら、声をあげると、自分は何を感じているのか、どうしたいのか、モヤモヤの中にあった個人または社会の課題が、輪郭を現すからです。授業では生徒と対話して「どう思う?」「なぜそう思う?」と問うことを大事にしています。そのように生徒が自分の内面をとらえることから始め、最終的には美術を通して「自分のやりたいこと」「自分にできること」「社会的に意味あるもの」の3つが重なるマイテーマを見つけてほしいと思っています。浅野吉英先生西宮今津高校(兵庫・県立)いろいろな学びに還元できるリテラシーや問題解決能力を須藤祥代先生葛飾総合高校(東京・都立)やればできるという自信がことばを使いこなす力を伸ばすればできる、という自信を、生徒につかんでほしいです。そのためには、できないと思っていたことが「できた」という体験が大事。授業では、そうした「やったらできた」を体験できるような学習プロセスを、認知的・心理的しくみを考えて、私なりに工夫しています。私が考える国語科の目標は、「ことばを使いこなす」こと。それが、学び、考え、コミュニケーションし、よりよく生きるための基礎となるからです。ではどのような学習が効果的か。国語は得意・不得意が固定化しがちです。国語が得意な生徒や先生自身はうまくできるのかもしれないけれど、「どう読んだらいいのか」、誰も教えてくれません。そこで、読むときの認知の働きを考え、それをうまく働かせられる学習方法を工夫します。例えば私が創案した「カットイメージ読解法」では、小説を読むとき心に浮かぶ場面イメージを、マンガのコマのように細かく意識して、その切れ目で本文を区切るという作業をします。すると生徒たちは、自分の頭の中を探りながら、きちんと読んでいく。「読んだらわかった」「こう読めばいいのか」という体験ができるのです。また、協同学習を重視するのは、仲間とのチームワークの中で「できた」という体験が自他肯定感を高め、同時にコミュニケーション力の向上につながるからです。それが、社会の中で人と関わり自分を生かしていく基盤となります。山崎茂雄先生稔ヶ丘高校(東京・都立)数学理科社会美術情報国語英語三原直也先生関東第一高校(東京・私立)石川真理代先生戸山高校(東京・都立)432015 FEB. Vol.406

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