キャリアガイダンスVol.406
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「学び」と「実社会」をつなげて好奇心に火をつけられないか山崎国 ここまでのワークを経て、気づいたことや、さらに深めたいこと、ここも共有したいということはありませんか。浅野美 学びのベースとなるのは、本人の止むに止まれぬ好奇心、探究心なのだろうな、と改めて思いました。美術教育でも、生徒に「見たい」「知りたい」「わかりたい」というモヤモヤがあってこそ、それを表現しようとするなかでアートが生まれます。ところが、今の学校では、生徒が「知」に対して飢えていない。生徒の「知りたい」にどう火をつけるか、そこで我々は苦しんでいると思うのです。私自身は、千冊のなかから好きな本を選んだり、地域に展示するアートを地域の人と協働で制作したりと、「選ぶ」「人に会う」「現場に行く」機会を増やすことで、生徒一人ひとりが好奇心をもてるものに遭遇できれば、と思っているのですが、ほかに何かよい方法はないでしょうか。高橋英 教科の学びを実社会とつなげることじゃないでしょうか。ぼくがアメリカの大学院で学んだ時に一番ショックを受けたのは、アメリカの学校では、実社会とつなげた応用の授業をたくさんしていたことです。日本もそうしないと、生徒がICTはInformation & Communication Technologyの略。リテラシーはもともと「読み書き能力」のことで、現在は「何らかの表現されたものを、適切に理解・解釈し、分析し、また記述・表現する能力」という意味をもつ。総務省の情報通信白書が、ICTリテラシーとしてあげているのは、ネット上の違法・有害コンテンツへの対処、ネットでの適切なコミュニケーション、メディアを読み解く力など。上の表では「懐疑的なものの見方」から「考えを開示し、批判しあう力」までがICTリテラシーにかかわる領域と言える。ICTリテラシー人間の学び方、学習スタイルには個人差があることが、さまざまな研究で明らかになってきている。その研究の代表例の一つが、43ページで高橋先生がふれた「多重知能理論」。米ハーバード大学のハワード・ガードナー教授が、人間の知能には、言語的知能、論理数学的知能、身体運動的知能など8つ以上の知能があり、どの知能が強いかは人によって異なると提唱した。学習スタイルに関連する研究については、英国の学習スキル研究センター(LSRC)も、提唱されたさまざまな理論・モデルの検討を行っている。学習スタイル教科の枠を越えて共有できることは目指している学び授業の工夫何を学んでほしい?なぜそれを学んでほしい?そのために教科書ほかコンテンツをどう使う?そのために学習活動、プロセスをどう工夫する?情報 ICTリテラシー表現に対する理解・解釈・分析、記述・表現の力はベースとして必要情報 問題/課題解決能力社会で自律的かつ主体的に生きていくために必要だから情報 社会に主体的に参画する態度変容し続ける社会で主体的に生きていくためのベースになるから生徒にとって答えの見えない問題。ペントミノ(正方形5個を並べた図形)の種類を探る等探求的活動。ペントミノがいくつあるか考え、導いた結論を「まだない?」とさらに疑う等国語 ことばを使いこなす力学ぶ・考える・表現する・コミュニケーションする基礎の力だからグループワークで、生徒同士で自分たちの考えに実証性・再現性・客観性があるか話し合う社会 考えを開示し、批判しあう力社会構造の変化でコミュニケーションを求められる職や場が増えた社会 不当な社会に抵抗する力社会問題には「適応」せず「抵抗」し、よりよい社会を築いてほしい社会 文章を読む力・書く力文系学問の基礎は、文章(ドキュメント)を読むことだから「メディアの特徴」「情報モラル」「情報の表現と伝達」等、すべての教科書の単元が役立つ情報の理解・分析を、ソーシャルリーディングや思考ツールなどでプロセスを可視化して実践美術 当事者意識をもつこと課題に自分が向き合う臨場感なしに解決へのアクションは起きない生徒が読み書きを、論理的文章の型(論文なら問い・答え・根拠等)を学んだうえで行う英語 言語能力やアウトプットの力言語や身体表現など得意なコミュニケーションを得てほしいから生徒が文章の読解や表現を、カットイメージ読解法や、型で書く小論文を学んだうえで行う理科 科学的な見方科学的な見方を身につければ根拠に基づき自分で判断・行動できる授業でDiscussion(議論)とDialogue(対話)ほか、スキット(寸劇)や演劇の発表も行う数学 本質を探る力情報があふれる時代、上辺で判断せず自分で本質を探ることが大事数学 懐疑的なものの見方根拠の追求もせず物事を信用すると危機に陥りかねない時代だからディベートに向くテーマ(縄文と弥生、どちらが優れているか等)ディベートを行ったり、生徒が15分程度の授業内容をつくり発表したりする情報が整理されていない板書から生徒がノートを作成、模範解答から自分の考えを見直す等特に「問題解決学習」の単元プロジェクト型学習。プロセスの可視化、個々が役割を担いつつチームで活動するのを重視常識を覆されるテーマ(憲法と法律の違い)、丸山真男「『である』ことと『する』こと」教授や生徒の探究、討論等で、生徒が常識を疑うことや、権利を主張することを体験するグリーンズ編『ソーシャルデザイン』プロジェクト型学習。地域で、「他者に向けた意味あるアート活動」を生徒が考えて実践プロジェクト型学習。擬似会社など社会の縮図的なチームで活動、外部からも意見をもらう能力や行動特性を伸ばしてほしい※抜粋版に盛り込めなかった記述を含めた詳細版あり①②指導者が実証性・再現性・客観性に関する評価項目を設定(生徒が自己評価・相互評価に活用)教科書や文献・論文の抜粋、当時の資料、新聞記事など多種多様な文字資料を読む442015 FEB. Vol.406

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