キャリアガイダンスVol.406
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本校は1980年にピアノ調律師の養成校として設立されました。その後、楽器にかかわる新学科・コースを増設してきましたが、一貫して守ってきたのは、楽器奏者ではなく「技術者」を育てることでした。この間、業界も大きく変容してきました。CDからネット配信の時代になり、制作現場ではデジタル化が進む一方で、生楽器の魅力はむしろ増加。耳の肥えた楽器愛好家も多いため、優秀な楽器技術者を望む声が高まっています。ピアノ調律が2011年に国家検定として認可されたのはその現れでもあります。 こうした声に応えるためには、業界のニーズを敏感に感じとり、カリキュ本校は創立30周年を機に「一いち技ぎし至誠せい」を校訓に掲げ、演奏家を陰で支える裏方として「根気」「努力」「忍耐」をもって修練できる人材の育成に注力してまいりました。 こうしたビジョンに共鳴してくださったのが世界的なギタリストである吉田次郎先生です。10年ほど前から特別講師として、スタジオでヴィンテージギターを見せていただいたり、学生の作ったギターを試奏してアドバイスをくださったり、最新の音楽事情をご教授していただいたりしております。さらに、吉田先生が国連WAFUNIFの親善大使を務めているご縁で、本校が国内唯一の認定校に選ばれました。WAFUNIFとは、音楽を通した環境改善や平和へのプロモーション活動をしている国連の組織です。来年度以降、本校の学生がインターンシップで、国連やニューヨーク市内の学校にあるピアノや管・弦楽器のメンテナンスをする計画があります。国内でのインターンシップに加え、国外の楽器のメンテナンスをするのは、貴重な経験になるでしょう。今後、海外へも活躍の場を広げていくことを視野に、教育を進めてまいります。【理事長プロフィール】かくぼり・まさのぶ●1964年生まれ。中部楽器技術専門学校卒業後、同校に講師として就職。学科長、教務部長を経て2010年に校長就任。13年より現職。【学校プロフィール】1980年中部ピアノ調律専門学院として開校。89年現校名に改称。2013年学校法人中部学園設立。ピアノ調律科、管楽器リペア科、弦楽器製作科(ギタークラフトコース・バイオリン修理&製作コース)、楽器総合学科(3年制)。創学当初より楽器技術者を育成し続けたノウハウをもとに、業界が必要とする人材を育成ラムに反映させていくことが重要です。本校では、教育課程編成委員会の設置により業界のニーズを把握しており、渉外部が企業訪問などでヒアリングした要望を教育現場に反映する体制を整えています。また、関係性・信頼性のさらなる強化のため、楽器関連企業向けの「業界オーナーセミナー」を開催するなどしており、常に業界の新しい動向をキャッチすることに努めております。 時代の変遷に伴い、以前より高い技術が求められるようになってきました。と同時に重視されているのが「人間性」です。地道に努力を重ね、妥協のない仕事ができること。それがベースにないと、いい技術者は育ちません。̶変革に挑む̶まとめ/森 世志美 撮影/栗本剛樹学校法人中部学園(中部楽器技術専門学校)理事長角堀雅信492015 FEB. Vol.406

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