キャリアガイダンスVol.406
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 これまでの作文とは違い、志望理由書というものは相手があって成立する、生徒にとって初めての〝実用〞の文書。いくら書く練習をしても、生徒自身がその目的や意義を知らないと前に進めません。まずは知らない人に意欲を伝える文書であることをしっかり意識させ、明確なゴールを設定して練習をしましょう。お手本は先輩の志望理由書 最初に必要なのは、これまでの体験の棚卸の作業。過去や現在、どんな体験をしながら生きてきたのか、自分とはどういう人間なのかを小さなパーツに分けて少しずつ取り出していきます。そこから、進学後どうなりたいのか、どんな将来を思い描いているのかを導き出していきます。 なお、小論文指導ではまず「型」を教えますが、志望理由書は大学によってフォーマットが多様で、内容も個人差が大きく、指導にコツが必要です。おすすめは、先輩が書いたものを見せること。部活のこと、小学校時代の思い出など、一見よくあるエピソードを上手に志望理由に活かして書いている先輩の文章を見せ、生の体験を自分の言葉で伝えるという好例を示してあげたいものです。体験からの学びを自分の言葉で伝える練習を自分の軸に気づく志望理由書の指導推薦入試、AO入試の増加とともに、志望理由書作成の指導法で悩む学校が増えています。いくら書く練習をして表現力を磨いても、その進路に進みたいという強い意志がなければ書けないのが志望理由書。どこまで主体的に自分の進路を考えられるか…それが志望理由書作成のカギといえそうです。取材・文/永井ミカ事例とアドバイスで進路指導実践を磨く!1年生のときから、行事や部活の感想など書く練習をしていきます。生徒はささいな体験は「書く価値がない」などと考えますが、体験から感じたこと、学んだことに意味があるということを伝えましょう。書いたものはファイリングしておくと、後々の資料になります。国語の授業やLHRの時間などに書く練習をアドバイス1今号のアドバイザー2年生になったら、ただ書くだけではなく志望理由書というものを意識させます。過去や現在の体験を棚卸したら、それを志望と結びつけ、自分の言葉で表現させます。書くことと話すことは連動します。書けない場合は面談で引き出したり、面接の練習と一体化させるのもおすすめです。2年生からは志望理由書を書くことを意識させるアドバイス2クラスメートも受験のライバル。志望理由書の練習の場合、グループワークで見せ合ったりするのはあまりおすすめできません。それよりも先輩の書いたものを例として見せるほうがよいでしょう。なるべく普通の体験を元にした志望理由書を選び、「これで○○大学○○学部に受かった」という実績があるとより効果的です。同級生の例文より先輩の例文が実践的アドバイス3伊藤久仁子先生共立女子第二中学校高校(東京・私立)国語科教諭・進路指導部副主任・共立女子大学非常勤講師・学校心理士指イ導ンポト常に先進的な授業を実践している国語教育のエキスパート。朝日中高生新聞で「天声人語で200字作文」を連載中。502015 FEB. Vol.406

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