キャリアガイダンスVol.406
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 知立高校はキャリア教育への取組を始めて3年目。生徒の主体性を引き出すことを狙いに文部科学省の指定を受け、普通科の生徒が進路意識を高揚させ将来の見通しをもてる教育課程の編成を目指し、研究・実践を行っている。事前・事後学習を充実させ日常的に書く練習をする 同校では、3年前に学校設定教科として「キャリアデザイン」を創設し、ほとんどゼロから系統的キャリア教育をスタートさせた。1年生では「自分探し」、2年生では「生き方の発見」、3年生では「社会の中の自分」をテーマに、職場訪問や進路先の研究、キャリアプランニング、講座別学習などを実施。「生徒が主体的に課題感をもって学び、進路を自分で切り拓き、スムーズに大学での学習に接続できる実践とは何かを考えて授業開発しています」と、教務主任・研究主任の竹内道治先生は言う。 例えば、3年生の講座別学習はゼミ形式にし、自分で講座を選び課題を見つけることからスタートする。竹内先生が担当した統計学研究講座では、チームで学んでいくなかで、失敗を重ねながら自己管理能力や自己キャリア形成力を育成していくことを狙いとした。 同校普通科では一般入試を推奨しており、これまで特に志望理由書作成の指導は行ってこなかった。しかし、12講座ある講座学習のひとつ「文章表現実践」(図参照)では、15時間かけ、伝わる文章とは何かを考えることから始め、志望理由書を書き、発表し、相互評価を行う授業を行った。 様々な取組において事前・事後学習と振り返りを重視。その結果、「自分についてよく考えるようになり主体的な進路選択に役立ちました。事前にしっかり調べることと、事後に考えをまとめて書くという力も身についたと思います」と竹内先生。また、「社会の中での自分の役割などにも踏み込んで考えられるようになった」というのは進路指導主事の鈴木啓和先生。結果、生徒が進路に対して高めの目標をもつようになったそうだ。 今年度、何名かの生徒が国公立大学のAO入試、推薦入試に挑戦。キャリア教育によって身についた「情報活用能力」や「自分の考えをまとめて表現する」という力に加え、担任がきめ細かく志望理由書作成や面接を指導。普通科で5名の合格者を輩出した。─CASEⅡ─学校設定教科「キャリアデザイン」を通して身についた、進路を自分で考え、表現する力│知立高校(愛知・県立)│学習や進路選択にもっと主体性がほしい。進路選択の目標設定が低い傾向がある。課題1949年創立/普通科 商業・情報処理科生徒数951人(男子345人・女子606人)進路状況(2013年度実績)大学41%、短大13%、専各18%、就職3%■ 「文章表現実践」の 授業展開時間学習活動1『講座別学習ガイダンス』(全講座共通)2・3『文章を書く基本を知る』● 分かりやすい文章を書くための要点をプリントで提示する。● 新聞の投書欄に掲載された文章を配布し、何が分かりやすさの要因かを考えさせる。● 型を提示し、その型に従って短文を書く。● 短文ながらも、論の通った文を心掛けさせる。4・5『志望理由書を下書きする』● 看護系に進んだ卒業生の志望理由書を読ませる。● 気持ちが強く伝わる要因を考えさせる。● 自身の志望理由書の下書きをする。6〜11『志望理由書の推敲・清書』● 個別指導で推敲を繰り返す。● 合格した者から清書に入る。12・13『志望理由書を発表し、評価し合う』● 評価表を配布し、それぞれに評価させる。● 発表者は自分の思いが伝わるように、発表の仕方を工夫させる。14『発表の振り返り』● 評価表を発表者各自に返却し、先日の発表の振り返りを行う。15『講座別学習の反省』● 講座別学習の振り返りを行う。今年度初めて実施した3年生のキャリアデザインⅢの講座別学習では、「文章表現実践」を開講した先生も。15名の生徒が参加し、志望理由書を書き上げた。532015 FEB. Vol.406

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