キャリアガイダンスVol.406
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||2008年から5年間、文部科学省でキャリア教育担当の調査官などを務め、施策の策定や普及に携わってきた藤田先生と、法政大学キャリアデザイン学部の元学部長で、キャリア教育に関する誤解に警鐘を鳴らしてきた児美川先生。役割は違えどもキャリア教育に対する認識や期待に共通点は多いと思います。キャリア教育の10年を検証するにあたり、まずは同教育が果たしたポジティブな面からお聞かせください。藤田▼基本的なことですが、キャリア教育という言葉に対する認識が広がったこと。そして、それを推進する学校が増えたことを、まずあげたいと思います。定着するまでに10年ほどかかりましたが、キャリア教育の意義を知ってもらい、取り組みを始めることが重要であり、その点で大きな成果があったと思います。児美川▼広まったというのは僕も同感です。付け加えるなら、「開かれた学校」化が進んでいるように感じています。学校に外部の人間を入れることや、生徒を外に出すことへの抵抗感が薄れてきました。それは学校教育全体として喜ばしいことです。藤田▼若い人が社会人と触れ、将来を展望することで、今が、閉じた今ではなく、将来に開かれた今になってきます。各種調査でも、かつてのような自信を喪失した若者とは違う像が見え始めています。児美川▼僕は、生徒はもちろんですが、先生方の意識も変わったと思っていま筑波大学 人間系 教授法政大学キャリアデザイン学部教授法政大学キャリアデザイン学部教授ふじた・てるゆき●1963年生まれ。筑波大学大学院博士課程教育学研究科単位取得退学。筑波大学教育学系助教授、同大学院博士課程人間総合科学研究科准教授などを経て、2008年文部科学省 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター総括研究官。同省 初等中等教育局 児童生徒課 生徒指導調査官(キャリア教育担当)および同局 教育課程課 教科調査官(特別活動担当)を併任。13年4月より現職。近著に『キャリア教育基礎論』(実業之日本社)こみかわ・こういちろう●1963年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。法政大学文学部教育学科専任講師、助教授を経て、2003年よりキャリアデザイン学部助教授、教授(現職)、学部長(09~11年)。現在、同大学 教育開発支援機構FD推進センター長。日本教育学会理事、日本キャリアデザイン学会副会長。著書に『権利としてのキャリア教育』(明石書店)、『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマー新書)などこの10年をふり返る何ができて、何ができなかったのかキャリア教育元年から10年、この間にできたこと、できなかったことは何か、キャリア教育を牽引してきた藤田晃之先生、児美川孝一郎先生に語りあっていただきました。取材・文/堀水潤一 撮影/平山諭対 談82015 FEB. Vol.406

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