キャリアガイダンス vol.407
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わけではない。 図1はガソリンや軽油に代わる新たなエネルギーを利用した自動車の現時点での強み・弱みを比較したもの。技術が進化すればこの評価も変わってくるが、現段階ですべてにパーフェクトなエネルギーはない。だから、「水素か電気か」といった二項対立的な議論には実はあまり意味がないのだ。 「例えば、バスなどの大型車であれば水素をたくさん積めますから水素が有効ですし、短距離の利用が多い小型の宅配オートなどは今でも電気が有効です。ガソリンも含めて各エネルギーには得手不得手があり、お客さまの利便性、社会環境、エコ、技術などの観点から、多様なエネルギーをそれぞれにふさわしい用途に棲み分けて利用することが大切だと考えています」(トヨタ自動車広報部) このような考え方に基づいてトヨタが描き出す未来像が図2だ。電気、水素、化石燃料、再生可能エネルギーなどがお互いにバランスよく補完し合うことで、持続可能なエネルギー利用が成立している社会。前出の「水素社会」はこの未来を形成するピースの一つなのだ。 「自動車を通して社会に貢献すること。これが創業以来の当社の存在理由です。それを実現するには、時代、時代に合った価値を見極め、それにこたえる製品を提供していくことが求められます。ただし、技術開発には常に時間がかかります。だからこそ、私たちは、〝今日より明日〞を意識しながら短期・中期・長期のさまざまなスパンで未来を描いて事業に取り組んでいるのです」(同社広報部) 社会の発展に責任をもち、社会が今後何を必要とするのかを軸に考えるからこそ、みんなが共有できる未来を〝描く〞ことが可能になる。そしてその未来を〝創る〞原動力になるのは、チャレンジするマインドだ。 「燃料電池車の開発をスタートしたのは1992年。要素技術の研究にはそれ以前から取り組んでいます。当時は、将来どうなるかはわからないなかでのチャレンジでした。数ある研究開発のなかにはうまくいかないものもたくさんありますから。それでも当社はチャレンジし続けることを何より大切にしています」(同社広報部) 新興国を中心に世界規模では経済は成長を続け、自動車の需要も伸び続ける。一方、化石燃料の供給が右肩上がりに伸びることはない。環境負荷を低減し、持続可能な社会を形成するためには新しいエネルギーの活用は必要不可欠。そんな時代の要請にこたえてトヨタが提示した未来に向けて、私たちは今、第一歩を踏み出したところだ。図2 未来のエネルギー利用イメージチャレンジするマインドが未来を創る原動力になるトヨタFCV(燃料電池自動車)「MIRAI」トヨタ自動車資料より転載PHV:プラグインハイブリッドカー HV:ハイブリッドカー展望編1未来社会にどう向き合うか?132015 MAY Vol.407

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