キャリアガイダンス vol.407
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2月からは開発者向けに販売がスタートした。 もちろん「Pepper」はこれから進化していくロボットだ。前述のコンピュータの加速度的な高性能化を考えれば、その成長スピードをイメージするのは難しくないだろう。 「ロボット開発は非常に大変で今や1社ではできません。ですからPepperはiPhoneのように、多くの企業、クリエイターの協力を得る体制をとりました。今後はさまざまなアプリの集合体としてどんどん進化していきます」(林氏) それにしても、300年後の未来をこのように自信をもって描くことができるのはなぜなのだろう。 「例えば10年後の石油の値段は誰にもわかりませんが、300年後には石油はなくなっていることは予測できます。近い未来より遠い未来のほうが、実は大きくぶれることなく描くことができるのです。そこで大切なのはものごとの原理原則をとらえて考えることです」(林氏) 例えば、SNSの300年後を見通すことは難しくても、「人がストレスなく情報を入手する方法はどこまで進化しているだろう」という原理原則に立ち返り、私たちが本質的に何を求図2 1チップ中のトランジスタの数(2018年~) 図1 コンピュータ1チップ中のトランジスタの数図3 ソフトバンクの創業から現在に至るまで 1981年(株)日本ソフトバンク設立、パソコン用ソフトの流通事業を開始1982年パソコン誌「Oh! PC」「Oh! MZ」を創刊、出版事業を開始1996年米国Yahoo Inc.との共同出資により日本法人ヤフー(株)を設立1998年東京証券取引所市場第1部へ上場。ソフトバンクは持ち株会社に1999年出版事業を分社し、事業持ち株会社制を導入2001年ビー・ビー・テクノロジー(株)(現⦆ソフトバンクBB(株))がブロードバンド総合サービス「Yahoo! BB」の商用サービスを開始2002年政府のe-Japan構想促進の一助として、全国の学校、図書館、公民館などにブロードバンド・インフラ、関連サービスの寄付を決定2005年(株)福岡ダイエーホークス(現 福岡ソフトバンクホークス(株))の株式を取得して子会社化2006年ボーダフォン(株)(現⦆ソフトバンクモバイル(株))を子会社化、移動通信事業へ参入2007年子会社の(株)日本サイバー教育研究所(現 サイバーユニバーシティ(株))がサイバー大学を開学2008年ソフトバンクモバイル(株)が「iPhone 3G」を発売2010年ソフトバンクモバイル(株)が「iPad」を発売「ソフトバンク 新30年ビジョン」を発表2012年ソフトバンクモバイル(株)の累計契約数が3000万回線を突破2013年クリーンで安定的な分散型電源による電力供給を行うBloom Energy Japan(株)を設立2014年ソフトバンクモバイル(株)とALDEBARAN Robotics SASが世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper」を発表細胞数(トランジスタ数)人間の脳人間の脳コンピュータコンピュータ細胞数(トランジスタ数)300億201020182100220023002018(年)(年)30年で100万倍1垓3倍1垓=1兆×1億1垓2倍1倍1垓倍2018年脳を超えるめているのか、テクノロジーはどんな方向で進化しているのかと考えていけば、思考を組み立てていくことは可能になる。 一方、林氏は「誰もが300年後の未来」を描く必要はないとも言う。「会社には未来を描くビジョナリストもいれば、例えば、コミュニケーションを通して人をまとめる役割の人もいます。後者は自分では未来を描けなくてもいい。むしろ大切なのは変化に対応できる〝追従力〞です」 振り返れば、ソフトバンクの歴史は変化の連続だ(図3)。パソコン用ソフトの会社として立ち上がったソフトバンクが、携帯電話事業で大きく成長し、ロボットまで創る企業になるとは当初は誰も想像だにしていなかっただろう。 林氏は、それができたのも時代に追従し、変化する力があったからこそだと言う。そして、その力は(現在の)コンピュータにはない、人間の最大の能力であるとも。 未来を描く力と、変化に追従する力。この二つの力が合わさったとき、未来を創る仕事ができる。ソフトバンクの挑戦はそのことを私たちに教えてくれている。変化に対応できる〝追従力〞が重要に展望編1未来社会にどう向き合うか?152015 MAY Vol.407

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