キャリアガイダンス vol.407
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希望の道標取材・文/山下久猛撮影/宗英治はたけやま・ちはる●1986年埼玉生まれ。法政大学在学中にカナダ留学やウェブマガジンgreenz.jpのインターンなどを経験。卒業後はNGO/NPO支援・映画の配給事業を行う会社に就職。2011年の東日本大震災をきっかけに、大量生産大量消費の暮らしに危機感を抱き自分の暮らしを自分で作るべく、鶏などの解体の勉強を開始。解体ワークショップを開催し命と向き合う場を提供。2013年5月福岡県糸島市に移住。食べ物、エネルギー、仕事を自分たちでつくるシェアハウス「いとしまシェアハウス」の運営を開始。狩猟免許を取得し、新米猟師に。2014年、「命」と向き合い、悩み苦しみながらも成長を続ける奮闘記『わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)を上梓。日々の暮らしや各種ワークショップの模様を綴ったブログ「ちはるの森」(http://chiharuh.jp/)も好評。畠山千春大人になってからの方が大人になってからの方が人生は楽しくなる!人生は楽しくなる!新米猟師/畠山千春新米猟師/畠山千春 3.11の東日本大震災が発生した数日後、家族全員で集まったとき、父が「家族を守りたいなら、まず自分自身が生き抜くことだ」と言いました。でもエネルギーにしろ食べ物にしろ、暮らしの基礎になる部分をほかの誰かに頼った今の暮らし方では、今後同じような大災害が起こったときに自力で生き残れない。横浜から福岡に移住したのをきっかけに、2013年5月からは生きていくうえで必要なものは自分たちで作り出すという暮らしを実践し始めました。拠点は糸島市の美しい棚田が広がる山の中腹に建つ大きな古民家。そこを借りてシェアハウスとして改築しながら現在4人で暮らしています。 この「いとしまシェアハウス」のテーマは、「食」「エネルギー」「仕事」の自給。「食」は集落の農家の方に田んぼや畑を借りて米や野菜を作っています。米は昨年シェアメイト全員が1年間暮らしていける量が収穫できて、米を買わずにすむようになりました。肉は狩猟免許を取得し、猪を罠で捕らえて解体し、料理するところまですべて自分たちで行っています。私は新米猟師としてメディアで紹介されることも多いのですが、猟はあくまでも暮らしを作るという枠の中の一要素なんです。「エネルギー」は太陽光発電や薪を燃料にするロケットストーブ、韓国式の床暖房のオンドルなどをシェアメイトたちと一緒に自作しています。現金を得るための「仕事」は田植えや稲刈り、動物の解体や家造りなどをワークショップにしています。こういう暮らしをやってみたいけれどいろんな事情で無理だという都会の人に私たちの暮らしの一部を解放し、少しでもこの暮らしの楽しさを体感してもらい、自分もやってみようと感じてもらえたらと思っています。そしてその参加費は貴重な現金収入の一つになっているんです。 今、私たちは生きていくために必要な分を自分たちで作ったり獲得しているわけですが、自分の暮らしに責任を負えるということはすごく幸せなことだと思います。生きていくうえで大事な部分を人任せにするのが嫌になった、ということがこの暮らしを始めたきっかけだったので。 若い人には自分の気持ちに素直になって何でも挑戦してもらいたいですね。私も今まで自分の直感に従って好きなことをやり続けてきて本当によかったなと思っています。一見ばらばらに見える一つひとつのことが繋がって、今の幸せな暮らしが実現できているからです。その好きなこと、楽しいことを追い求める気持ちをずっと忘れないでいてほしいですね。 また、本当に大事な友達は学生のうちにしかできないとか、社会は厳しい場所だから今のうちにいっぱい遊んでおきなさい、などと言う大人がいますが、絶対に信じないでほしいです。あれは全部嘘だと思っているので。大人になってからも本当の友達はたくさんできますし、人生も絶対楽しく、おもしろくなりますから!42015 MAY Vol.407

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