キャリアガイダンス vol.407
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未来と自分をつなげる授業授業編※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.407) 生徒が自分の将来を考える際、想い描く未来に実感が持てず、漠然とした概念論で終始することがあるのではないだろうか。また、自分のやりたいことや向いていることから将来を考えることも多そうだ。 今回は「社会の変化」を具体的に考えることで未来社会を自ら予想し、その社会のなかで自分はどうありたいかを考える、「社会軸」からのキャリアデザインの授業開発とその試行を都高進進路学習部会にお願いした。総合的な学習の時間やLHRなどを使用し、2時間で完結する授業の展開を考えていただいた。 授業は、大きく2つの要素で構成。まずは、現実を踏まえたうえで「未来」を予測し、そのような社会に必要となる仕事とはどのようなものかを話し合う。その後、予測した未来を見据えた場合、自分が今何をすべきか考える。そんな2時間を、実際に高校1・2年生15人に体験してもらった。図1 当日の授業案社会の変化を予測し、どんな力をつけるか考える まずは、未来社会に関して簡単なレクチャーを実施。この20年くらいで日本の街角から消えたもの(CDショップや公衆電話など)や、変化するサービス業の実態などを簡単に説明。また、ロボットや人工知能など科学技術の進歩や、それに伴って消えた職業・消えると予測される職業などの実態も提示。さらに、グローバル化や人口減少の事実などを伝えた。1時限目未来社会のキーワードの提示展開1未来を考える1時限目未来社会を考える進行内容ねらい・留意点教材他導入 3分授業の目的・ねらいについて説明。授業の方向性の理解。展開110分未来社会のキーワード ポイントレクチャー。 例)ロボット、水耕栽培、水素自動車、ドローン⇒無くなる職業がある。未来社会について理解させる。パワーポイントなどを活用し、資料や事実をベースに解説する。パワーポイント展開210分~15分<個人ワーク>ドローンの登場でどんな未来になるか。未来社会で新しい技術1つが世の中をどのように変えるか考えて、付箋に書き出す。(KJ法)未来に向けてすでに現在起きていることに興味を向ける。・個人で行う作業の質問内容を読み上げる。・時間の指示を与える 例「10分でそれぞれの質問に対する自分の答えを書き出すこと」等。・付箋には1つの質問に対し1つの答えを書く。大きくわかりやすく書くように指示する。・生徒の回答を見て、適宜アドバイスやコメント(相づち)を行う。意見が出ないときは教員がヒントを与える。パワーポイントなどでドローンの映像を出す。ワークシート(質問票)、付箋展開315分~20分<グループワーク>KJ法で書き出したそれぞれの考えをグループの意見として模造紙にまとめていく。・グループのメンバーと自分が考えた答え(付箋)を、問いごとに模造紙に貼り付けていく。・各々の内容で、似たもの同士をグルーピングし、タイトルをつけていく。未来に向けてすでに現在起きていることに興味を向ける。・KJ法についての解説を行う。・模造紙の使い方。・付箋のグループ分けなど指示する。ワークシート(質問票)、付箋、ペン、模造紙展開410分<意見交換/シェアリング>それぞれのグループの考えた意見を発表し、互いの意見を理解する。・それぞれのグループでまとめた模造紙を黒板などに貼って、全体に向けて発表。・発表後は、温かく拍手をするように促す。未来への道筋の広がりを共有する。・発表の指導や、発表者の話を聞く指導を行う。・最初の発表は挙手制、先生の指名どちらでも良いが、発表の内容が良い、発表が上手な班から発表させるとその後のグループの発表がスムーズにいく。・発表した模造紙を黒板等に張っておくと、後でもう一度見ることができる。付箋を貼った模造紙、マグネットまとめ2分1時限目のまとめ。「未来社会では、皆と同じ考えで同じ事をやっていてはダメ」ということを理解する。1時限目のまとめとして、「未来社会では、皆と同じ考えで同じ事をやっていてはダメ」ということを理解させて、次の授業に備える。2時限目ありたい未来と自分をつなげる講義2分1時限目のKJ法でまとめた各班の模造紙発表で、目立ったものや共有しておきたい回答について、内容を再確認する。未来への道筋の広がりを共有する。・発表の指導や、発表者の話を聞く指導を行う。・最初の発表は挙手制、先生の指名どちらでも良いが、発表の内容が良い、発表が上手な班から発表させるとその後のグループの発表がスムーズにいく。・発表した模造紙を黒板等に張っておくと、後でもう一度見ることができる。1時限目最後のワークシート展開125分<個人ワーク><グループワーク><全体シェア>1時限目で考えた未来社会に向けて、「今自分が身につけるべき能力は何か」を考える。・各自で簡単に考えたのち、グループでディスカッション。・その後、全体に発表し、意見を共有。自分軸に意識を移行させる。・時間があれば、<個人ワーク>付箋に考えを書く→<グループワーク>模造紙に貼り、グルーピング→その後全体に発表する。付箋、模造紙、質問票展開220分<個人ワーク><意見交換/シェアリング>アクションプラン「未来シナリオ」を書き、シェアする。・用意した「未来シナリオ」シートの空欄を埋める。・その後、それぞれの「未来シナリオ」を共有する。未来をつくる一員としての生活を始める意識を持つ。・班でシェア、もしくは時間が許せばクラスで全員発表。クラスで班の代用者が発表し、それぞれの考えをシェアすることも可能。ワークシート(アクションプラン)まとめ3分全体への振り返り・コメントをして終了。※詳細な授業案・ワークシート類のダウンロードが可能です。「社会の変化」という視点から切り込むと、生徒自身が将来を考える視野も広がるのではないでしょうか。そんな新しい授業を、東京都高等学校進路指導協議会進路学習部会に開発していただき、東京都立晴海総合高校の生徒の皆さんの協力のもと実践してみました。全国高等学校進路指導協議会事務局長東京都・晴海総合高校 キャリアカウンセラー・主幹教諭千葉吉裕先生東京都高等学校進路指導協議会理事東京都・晴海総合高校2年主任教諭小出和代先生東京都高等学校進路指導協議会進路学習部会長東京都・晴海総合高校相談部主任教諭多田早穂子先生授業編未来社会にどう向き合うか?生徒232015 MAY Vol.407

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