キャリアガイダンス vol.407
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復興教育」(自ら学び、実行する力を育むなど、復興を担う人材の育成を目的とした特色ある教育)のキーパーソンとして、「OECD東北スクール」(※1)や「全国生徒会サミット」(※2)をはじめとしたさまざまな教育実践に関わってきた。そこで培ったネットワークや国との連携役を期待され、36歳の若さで、福島県では初となる副校長に就任した。丹野校長は、南郷副校長をこう評する。 「文科省の職員でありながら、教員以上に先生らしい人。子どもたちの力を信頼している人です。他にない先進的な教育に取り組むため企画開発の中心として、また外部との連携を担うコーディネーターとしての役割を期待しています」 新たな学校づくりにおいては、双葉地区教育長会が13年度に始めた「双葉郡子供未来会議」での知見が生かされた。子どもと大人がテーブルを囲み、双葉郡の教育復興について自由に対話する場だ。全8回、各地で行われた会議には延べ556人が参加。理想の授業について活発な意見交換が行われたほか、新校名の選定などにも積極的にかかわった。 「大人の議論ではまとまらないことも多かったなか、『子どもたちはどう考えているのだろう』という発想から設けた場でした。子どもたちからでるふるさと創造学という「動く授業」理想の授業についての率直な意見に驚かされました」(南郷副校長)●「机に縛られる勉強だけじゃなくて、実際に体験したり、生徒同士で教え合うような『動く授業』がいい」●「いろいろな職業のプロに出会って自分なりの夢を見つけられる『小さな窓』がたくさんあってほしい」●「未来に誇れる街づくりをしたいから、地域の歴史や伝統文化について学びたい」 こうした発言はグランドデザインを作るうえで大きなヒントになった。事実、ふたば未来学園では、課題解決型のアクティブラーニングなどを積極的に取り入れる予定だ。 その柱が「ふるさと創造学」である。図2 ふたばの教育復興応援団メンバー● 秋元 康(作詞家)● 安藤忠雄(建築家)● 伊藤穰一(マサチューセッツ工科大学メディアラボ所長)● 乙武洋匡(作家、東京都教育委員)● 小泉進次郎(復興大臣政務官、衆議院議員)● 小宮山 宏(三菱総合研究所理事長、元東京大学総長)● 佐々木 宏(クリエイティブディレクター)● 潮田玲子(元オリンピックバドミントン選手)● 為末 大(一般社団法人アスリートソサエティ代表理事)● 西田敏行(俳優)● 橋本五郎(読売新聞特別編集委員)● 林 修(東進ハイスクール・東進衛星予備校現代文講師)● 平田オリザ(劇作家・演出家、東京藝術大学特任教授)● 宮田亮平(東京藝術大学学長)● 箭内道彦(クリエイティブディレクター)● 山崎直子(宇宙飛行士)● 和合亮一(詩人)※1 OECD事務総長の支援表明をきっかけに文科省、福島大学などの連携で実施された復興教育プロジェクト。被災地の中・高校生による2年半のプロジェクト学習で、リーダーシップや国際性などさまざまな力の育成を目指す。※2 12年の釜石市や13年の福島市など、毎年、全国の中学校生徒会が一堂に集いアクションプランを作成。都道府県別のサミットも実施。未来の「変革者」たち変革のための3つの理念ふたば未来学園 7つの挑戦「自立」~自主・自律と、主体性の回復「創造」~新たな価値、生き方、社会の創造「協働」~多様性の中での共生、協働●知識詰め込みから脱却した主体的な学び●解のない課題への挑戦を後押しする授業●自ら学ぶ力(思考力、判断力、表現力)の育成と、実社会での実践●ふるさとの魅力を磨き、世界に開かれた新しい地域の創造●震災と原発事故から学び、教訓を生かした、新たな社会の創造●少子高齢化、人口減少、グローバル化、情報社会における新たな生き方の創造●イノペーションにつながる新たな価値の創造①「ふるさと創造学」などでの、実社会での実践をとおして学ぶ課題解決型・探究的学習(アクティブラーニング)②生徒が教え合い、学び合う、「共同学習」の導入③「反転授業」や習熟度別指導などによる、学び直しと発展的学習に対応する個別指導④「みらいカフェ」や「みらいラボ」から始まる、自由で地域に開かれた学校づくり。流動性のある人間関係。 地域住民や企業とともにつくる学校。放課後も含めた学習支援⑤原子力防災、再生可能エネルギー等の課題を研究し、地域再生への取組みを実践⑥海外研修やICT活用での国内外との交流・発信を通したグローバル・リーダーの育成 関係機関との連携による、オリンピックなど世界を舞台として活躍するアスリートの育成⑦各界の第一人者、大学教授など「本物」との出会い●多様な主体との連携・協働●価値観や文化の違いを超えて共に生きる力の育成●国際、人権感覚を備えた市民の育成イノベーションによる新たな産業の創造新たなまちづくり地域再生のモデルを世界に発信地域コミュニティふたばの教育復興応援団国内外の企業・NPO等双葉地区教育復興ビジョン推進協議会地方創生イノベーションスクール2030福島大学をはじめとした大学、研究機関、国スーパー・グローバル・ハイスクール・知識基盤社会、グローバル化、少子高齢化が進行した社会で、自由で豊かな人生の実現。・集中から分散へ。画一から多様性へ。   ・人権が尊重された平和な社会の実現。・若者の力を生かした地域、コミュニティの真の自立。循環型の、持続可能な社会の実現。図1 ふたば未来学園の未来創造型教育※学校資料をベースに編集部で作成132双葉郡内の中学校との連携県内の他の高校との様々な連携展望・未来を創る学校未来社会にどう向き合うか?332015 MAY Vol.407

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