キャリアガイダンス vol.407
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372015 MAY Vol.407AL型授業への挑戦 小杉高校は3年前に米谷先生が校長として赴任した時、AL型授業へと大きく舵を取り始めた。 「小杉高校は総合学科として20年目。総合学科の制度ができた94年は、高校教育の多様化を目指した時代でした。しかし、02年の『学びのすすめ』で基礎・基本の学力が重要視され、こうした変化の中で、岐路に立たされていると感じたのです」 変化の激しい時代を生き抜く力を生徒に身につけさせ、時代の変化に対応する学校にするには、教員自身の指導力を高めることが必須と考え、学校全体での授業改革に取り組み始めた。その一つがALの導入だった。 導入に向けての米谷先生の動きこそがアクティブだ。文部科学省の研究指定校に手を挙げ採択。グループワークは小中学校の方が進んでいたため、中学校の先生にも指導を請う。さらにAL型授業の啓発活動を行う小林昭文先生を産業能率大学まで訪ねて、自校での研修や若手教員の直接指導を直談判した。 現場からは戸惑いもあったという。 「個々の考え方があるので足並みが揃わなくて当然。無理強いはしませんが、『生徒を成長させる授業をする』ことは、教員全員の共通目標であるはずなので、その方向性には同意してもらい徐々に広げています。そして一人でやるよりチームや組織で取り組ん現・富山県立高岡高校校長。1982年に富山県射水市(旧新湊市)の新湊小学校から教員キャリアがスタート。その後、中学校教員を経て、1991年から富山県の高校教員に。県立伏木高校教員時代に進路指導主事を経験する。1999年より富山県の未来財団勤務を経て、2002年富山県教育委員会の総務課(後に教育企画課に名称変更)に赴任。2007年から県立有磯高校で教頭を勤めた後、2009年富山県教育委員会で県立学校教育課改革推進班の班長に着任。2012 年より小杉高校校長。地域の小中学校と連携しつつ、時代に適合する授業改革を推し進め、2015年4月より現職。小杉高校(富山・県立)第1回昨年末の中央教育審議会の答申において、高等学校教育の改革として「主体的・協働的な学習・指導方法であるアクティブ・ラーニングへの飛躍的充実を図る」と記されました。弊社の調査※では、約47%がアクティブラーニングなどの授業改革に取り組んでいるが、学校組織として取り組んでいるのは8.7%とまだわずか。そこで今号より、学校としてアクティブラーニング型授業(以下「AL型授業」)に取り組みはじめた事例を紹介する連載をスタートします。企画協力/小林昭文(産業能率大学 教授) 取材・文/長島佳子 撮影/杉浦康之だ方が相乗効果があります。生徒に『いまの時代はチーム力が必要だ』とグループワークをやらせるのに、教員ができなければ説得力がありません」 最初は失敗しても、根気よく継続することが重要だという米谷先生は、この4月に高岡高校に転任。授業改革の風土が根づき始めた小杉高校は新たなメンバーを加え、さらに改善の輪が広がっていくだろう。強力なリーダーシップのもと、変化の時代に対応できる人材育成を目指す教員の成長があってこそ生徒の成長が実現できる小杉高校のアクティブラーニング型授業への取り組みの歩み小杉高校の能動的な授業の素地は、1995年に同校が総合学科として生まれ変わったときから、キャリア教育と課題研究を授業に取り入れたことからスタートしている。2012年に米谷先生が校長として赴任後、2013年に文部科学省の「確かな学力の育成に係る実践的調査研究」における「学力の定着に課題を抱える学校の重点的・包括的支援に関する調査研究」の研究指定校に採択。以後、外部のスーパーバイザーによる研修や授業研究会等を行いながら教員の指導力向上を図っている。(写真は本年2月に行われた、小林昭文先生によるAL研修)米谷和也前校長※小誌Vol.406 P28参照 「高校生の進路指導・キャリア教育に関する調査2014」(リクルート進学総研)動き出す学校と先生たちの実践レポート1919年創立/全日制総合学科/生徒数475人(男子139人・女子336人)/進路状況(2014年度実績)大学36.5%、短大21.8%、職業訓練大学校1.3%、専門学校32.7%、就職7.7%アクティブラーニング

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