キャリアガイダンス vol.407
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392015 MAY Vol.407赤点だった生徒が平均点を超えることもありました」 斉藤先生は、富山県の「教師力向上支援派遣事業」で、米谷前校長が小林昭文先生に直接指導を依頼して派遣した先生だ。だが、斉藤先生は当初AL型授業に懐疑的だったそうだ。 「授業研究を行った際に、数学科教員全体がALの進め方に対する良かった点、改善点などを協議してくれました。周囲の協力のおかげで授業改革に前向きになれました。そして、小林先生の研修で、工業化社会を目指した戦後の日本と、知識基盤型で変化の激しい現代では求められる能力が異なり、いま必要とされる能動性を生徒に身につけさせるためにALは必要な授業手法だと聞いて、意義を納得できました」 小林先生から最も影響を受けたのは、小林先生自身が現在も向上心を持ち続けて新しい挑戦を実践していることと、個々の生徒をよく見て指導する、教員としての姿勢だった。 「なんとなく感じていた『変化の激しい時代に対応できる生徒を育成するためには、教員が社会に合わせて変わっていかねばならない』ということを実感しました。まだ教員としてのスタイルが確立していないので、楽しみながら柔軟に取り組むことが、自分の成長に繋がると思います」た故・大村はまが語っている、教員の発言が『深2※く考えている子どもほどじゃまになる』という、基本と同じだったのです。それ以来、自分なりに工夫し始めました。効果的で最低限の声がけは難しいことですが、そこはまず、小林先生の真似をすることから始めています」 AL型授業とは生徒が自分で考え学習する時間を最大化させる授業であることから、型にとらわれずに国語科なりに達成させるアプローチがあるはずと思えるようになった。 目下の不安は、AL型授業で教員の想いが生徒に伝わるかどうかだ。「そのために、例えば今日は課題とは1952年生まれ。空手のプロを経て、埼玉の県立高校教員として25年間勤務したのち、定年退職、2014年より現職。河合塾 教育研究開発機構 研究員も兼任。教員時代にカウンセリング、コーチング、アクションラーニング、メンタリングなどを学び、最終勤務校では物理のAL型授業を実現。現在もその研究と実践、啓発活動に取り組む。産業能率大学 経営学部教授小林昭文先生本企画の連載スタートに当たり、小杉高校を推薦した理由は、米谷前校長の強いリーダーシップと、それに呼応する現場で中核となる先生方と、その先生方から徐々に全体へとAL型授業が広がっていく状態に、大きな可能性を感じたからです。ある日突然、米谷前校長が研修会をやってほしいと現れたことに驚きました。研修会の依頼は、通常電話やメールですが、直接いらしたことに授業改革に対する並々ならぬ意欲と熱意を感じたのです。また、若手の教員を預かってほしいと頼まれ、右の斉藤匠平先生が産業能率大学に10日間やってきて、うち4日間はほぼ私に貼り付きで行動をともにしました。校長が若手教員の10年、20年先の資質形成にも尽力されているのだと思います。AL型授業の推進に小杉高校のようなリーダーシップが欠かせないのは、ALのような新しい試みは、個人の先生だけでやろうとすると、当初うまくいかない場合に潰されてしまう可能性があるからです。リーダーが率先して取り組めばそれを防ぐことができます。小杉高校はリーダーシップとコアチームの先生方の存在という両輪が揃っていて好スタートを切りました。教員間の横の広がりでAL型授業を発展させていくだろうと期待しています。別に、自分が福島の被災地を訪れたときの写真を見せて、話をしてみました。いまは試行錯誤の段階なので、ALに関する本を読んだり、理論や他の先生方の実践に触れたりして、自分の幅を広げていきたいです」小林昭文先生からのアクティブラーニング型授業へのアドバイスリーダーシップと組織的な取り組みで理想的なAL推進となる可能性に期待

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