キャリアガイダンス vol.407
39/64

▶ハロウィン当日は伊丹の市街各地で企画が実行され、親子連れなどで賑わう戦略企画にチームで取り組む。 並行して、ハロウィンイベントに向けて、店舗でのイベント企画や町中の広場での企画を準備し、10月の最終日曜日に実行。店舗マップの制作・配布、子どものためのゲームコーナーやイベント企画など複数の企画が生徒の手によって実施される。生徒・教員が全員仮装して町を盛り上げるイベントは11年たった今やすっかり市民に定着した。 店舗インタビューなど学校外での活動はすべて夏休みを含む課外で行われ、授業は情報の扱い方や社会の動きを知り、活動のまとめや振り返りをする時間となる。指導のポイントは徹底した振り返り、プロセスや成果の可視化・言語化だ。授業では毎回白い紙が配られ、授業の内容を要約してノートにとる訓練がされる。毎回授業の後には、1.学んだこと 2.疑問に思ったこと 3.(授業で出会った)新しい言葉 4.感想 をまとめてSNSにアップすることが課され、平常点にも反映される。 そして1年間の最後には、自分がどのように成長したのかを「成功体験の振り返り」として(図3)まとめる。体験したら必ず行うアウトプットと振り返りが生徒たちの成長を促進している。 では、10年以上にわたるこの活動により、生徒とまちはどう変わったのだ図3 3学期の振り返り「資産の洗い出し」ろうか。伊丹市都市活力部の綾野昌幸さんは「ハロウィンイベントもエリアが広がってきました。確実に地域が変わった実感があります」。いたまちSNSの開発者でもある和崎宏さんは「人が人をつないで楽しいことをやって、思いやりや信頼がじわっと広がっている。高校生の動きがそれを誘発しているんです。10年前の伊丹とはずいぶん変わりました」と口をそろえる。 このプロジェクトを主導してきた情報科主任の畑井克彦先生がコミュニティや人のつながりと学校教育を結びつけて考えるようになったのは、1995年におきた阪神・淡路大震災がきっかけだという。「人のつながりの強い地域は被害が小さかった。コミュニティの力が一番の人と人とのつながりこそが地域の活力※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.407)後列右から綾野昌幸さん(伊丹市都市活力部)、向井大介さん(京都大学学生)、岡田学先生(校長・取材時)、和崎 宏さん(総務省地域情報化アドバイザー)前列右から坪田知己さん(内閣府地域活性化伝道師)、畑井克彦先生(情報科主任)、西濱靖雄さん(西濱防災ネット技術事務所)防災になるのです。今、地域創生が叫ばれ、ともすれば観光や特産品作りなどに目が行きますが、本当の地域活性化は、そこに住む人と人とのつながりの活性化のことだと思うんです。今の生徒たちには乏しい地域の人とのつながりを結び直し、その中で学ぶことによって主体的に社会に参画する人に育ってほしい」。 そんな思いから発したプロジェクトに3年間参加してきた生徒はこの1年間を振り返って以下のような気づきを発表した。 「私たちの本気が相手に伝わり、地域の方々も本気になる。そしてその本気が地域を活性化させる。この言葉を信じてこれからも地域活動に積極的に参加していきたいと思う」。▼授業や活動の記録はポートフォリオとして蓄積される▼発表では講評者とのやりとりも活発スクールデータ(2014年度) 1907年創立/普通科・商業科/生徒数831人(男子330人・女子501人)/進路状況(2014年実績)大学67.9%・短大4.9%・専門学校16.8%・就職3.7%・その他6.7%◀発表会では「できたこと」「できなかったこと」「身についた力」が語られる412015 MAY Vol.407

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です