キャリアガイダンス vol.407
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 2015年度より、商業科を閉科し普通科コース制の高校として生まれ変わった北海道富川高校。周囲は牧場が多い非常にのどかな環境で、生徒数は約100人と小規模だ。日高町唯一の全日制高校として、地域と協力し合いながらキャリア教育を推進。生徒の約半数が就職するが、2年連続で就職率100%を達成した。 北海道富川高校の3年間のキャリア教育は忙しい。「将来の目標がはっきりしている生徒、成績優秀な生徒は町外の高校に行くことが多い。富川に入学する生徒は〝何となく〞というタイプがほとんどです」と郷恭博先生。「そういった生徒が視野を広げたり夢を語ったり困難な目標にもチャレンジできるよう、『気づきの体験』を次々に仕掛けていきます」。 1年生では、興味がある仕事についてグループで調べながら、コミュニケーション力を養成。2月の発表会には、地域の大人も招く。並行して、大学生と語り合う「カタリバ」や、バスで大学や企業を見学する「施設巡検」も実施する。2年生ではインターンシップが核となるが、ここでも最後には地域の人たちを招いて報告会を実施。「自分の考えを伝える」力を繰り返しつけていくのだ。「劣等感を打ち破り、チャレンジする力をつけさせたい。意見を述べる経験は生徒の自信につながります」と石川博之先生は言う。 3年生では、進学・就職関係なく、全教員で全員の面談を行う。面接の上達はもちろんだが、何度も志望動機を語らせることで、自分の言葉が肉付けされ、目標が自分の腹に落ち、確固たるものになる。さらに、内定した生徒に対しては、敬語やマナーの指導を徹底。「職場で叱られることが離職の原因になることもあります。ここで叱られる経験は非常に大切」と、進路指導部の山崎浩和先生は語る。そして、卒業前には社会保険労務士に、労働者の権利に関する出前講座を行ってもらう。就職先で何か疑問をもったからといって、簡単に離職しないで欲しいという思いから始めたものだ。 「多くの指導は就職のためだけでなく、早期離職の防止も考えて行っています」と進路指導部長の南部真人先生。「何となく入学してきた生徒が、そのまま何となく就職してしまうと、離職する率が上がります。進路目標が明確であるほど離職しません。富川の生徒たちは、ま進路学習発表会から労働者の権利教育まで地域の協力を仰ぎながら自信をもたせていく1951年創立/普通科 生徒数102人(男子55人・女子47人) 進路状況(2014年度実績) 大学12%、専各30%、就職52%、その他6%■ 3年間のキャリア教育1年● 進路講話● コミュニケーションスキルトレーニング● 進路ガイダンス(苫小牧駒澤大学)● カタリバ● 作文指導● 施設巡検● 礼法指導● 模擬面接指導● 職業別ガイダンス● 進路学習発表会(見学)● 職業を知る会2年● 進路講話(進路相談員)● 個人面談・三者面談● 分野別ガイダンス● カタリバ● インターンシップ● 職業講話(ハローワーク)● 模擬面接指導● 進路学習(一般常識)● 進路学習発表会(見学)● 進路学習(SPI入門)3年● 進路ガイダンス● 進路講話(ハローワーク)● 分野別進路講座● 進路学習(一般常識)● 書類作成・面接練習● 三者面談● カタリバ● 分野別ガイダンス● 実践面接・履歴書作成指導● 書類作成指導● 外部面接官指導● 進路学習発表会● ビジネスマナー講習● 社会保険労務士による出前講座進路指導実践事例 ❶前列右から進路指導部長南部真人先生進路指導部山崎浩和先生後列右から進路指導部石川博之先生進路指導部郷恭博先生北海道富川高校 (北海道・道立)〝何となく〞の生徒を目的意識のある社会人にだできる!まだ伸びる!これからも、自分のことや将来のことを考え語る機会を、数多く設けていきたいです」462015 MAY Vol.407

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