キャリアガイダンス vol.407
51/64

分野グループのテーマ(関心のある社会問題)向陵リサーチ訪問先国際協力国による貧富の差JICA東北町づくり被災地の現状と復興仙台市役所震災復興室地域経済TPP東北大学少年犯罪サイバー犯罪宮城県警教育いじめ、体罰、不登校、学習指導要領私立中学校2校科学技術将来の電力構想東北電力仙台営業所医療医師不足健康管理センター普通科・理数科/1975年設立/生徒数 599人(男子330人・女子269人)進路状況(2014年度実績) 大学86.0%専門学校等0.5%・進学準備13.5%宮城県仙台市太白区八木山緑町1-1 022-262-4130 http://mukaiyama.myswan.ne.jp/ このように「社会」に目を向ける取り組みでも、主眼は「職業」ではない。とかく「夢=職業」ととらえがちだが、職業名よりもその職業を通じて「何がしたいか」を重視しているのだ。職業に就くことがゴールではないし、「何をしたいか」から考えることで多様な職業に目を向けることができる。ある薬剤師志望の生徒は、保護者が許可する「薬学部進学なら国立大学のみ」という条件を満たす成績でなく悩んでいたが、「副作用に苦しむ人を助けたい」という志を自覚したことで、志望分野を応用化学にも広げて進路実現を果たしたという。進路指導部副部長の作間偉也先生はこう話す。 「目標に職業名をあげる生徒には、あえて『なぜ』を問うことが大切。特に、いつも同じ職業を口にする生徒は、その職業で何をしたいかまで考える機会をもたないままになっている可能性があるので、注意深く対応しています」今の学習姿勢にも影響する「日常の大学」の体験 2学年のテーマは「学問とつながる」だ。今度は学問の観点から社会問題を見つめ直し、その解決に必要となる知識や技術を獲得する方法について考えていく。やはりグループ単位の活動が主になるが、「経済」「機械工学」など学問分野の切り口で再編する。 2学年の目玉は、同校が考案した「アカデミックインターンシップ」。オープンキャンパスのような非日常ではなく、日常の大学を知ろうという活動だ。事前学校訓は「自律・和敬」。制服はなく、生徒の自覚と責任を重んじる校風。生徒の多くは大学進学を希望し、そのうち4割程度が国公立大学に進学する。大学合格だけを目的とせず、総合的な学習の時間で展開する独自のキャリア教育プログラム「向陵プラン」を中心として、授業を含む日常においてもキャリア教育の推進を図っている。2011年度「キャリア教育優良学校」として文部科学大臣表彰。で3〜5人程度の小グループを編成(図2)。各分野には担当教員が2人ずつつく。 主な活動をあげていくと、春から夏休みにかけては、新聞記事スクラップからグループ調査を行う「向陵プレリサーチ」を実施する。秋には、社会に対する貢献意識の強い職業人約30人を招いて「オータムセミナー」を開催。生徒は職業人を1人選び、職業を通じてどう社会貢献しているかを聞く。 1学年で最大の活動は、秋〜冬に行う事業所訪問「向陵リサーチ」だ。生徒自ら訪問先を探し、アポイントメントをとって訪問。単に仕事内容を調べるのではなく、「社会問題解決の手段としての仕事」という観点から調査する。図1 向陵プラン「つながる3年間」概念図図2 1学年の社会問題別グループの例■ 向陵プランとは自分と学問・社会とのつながりを自覚し、主体的な進路選択を促す活動■ 目指す生徒像● 大学で学ぶ意義を十分理解し、目的をもって「入りたい」大学や学部・学科を選択する生徒 ● 高校段階における興味関心をもとに、適性を踏まえた「学び」を模索する生徒● 発表活動や調べ学習などの諸活動を通して、コミュニケーション能力や表現力、さらには論理的思考力をもった生徒 ● 社会における役割を認識し、高い自己肯定感を有した生徒● 向陵プレリサーチ (新聞記事スクラップ)● オータムセミナー (社会人講話)● 向陵リサーチ (事業所訪問)未来を切り拓く人材へ1年次社会とつながる2年次学問とつながる3年次自分とつながる● サクセスタイム (課題研究)● ケーススタディ (出願シミュレーション)● アカデミック インターンシップ (大学ゼミ体験)● 向陵セミナー (大学主張講義)● 志望理由書生徒の変容の把握(ポートフォリオ)生徒の変容の把握(ポートフォリオ)グループ学習532015 MAY Vol.407

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です