キャリアガイダンス vol.407
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体的なイメージをつかんで希望進路を明確にする生徒もいれば、現実を知って方向転換する生徒もいる。 また、今の勉強の重要性に気づく生徒も少なくない。留学生を交えて資料も議論もすべて英語で行うゼミ活動に参加した体験や、大学の先生から「高校の化学でやっているはず」という前提で説明されてチンプンカンプンだった体験が、高校の勉強の大切さを痛感させ、学習意欲をかきたてている。「いつも居眠りしていた生徒が、アカデミックインターンシップ後は授業を真剣に聞いている」といった例がいくつもあがる。 「来月の定期テストのためではなく、これからの自分を支えるものとして勉強をとらえるようになったということ。そんな生徒に、『これは入試に出るから覚えろよ』と受験外圧に乗る手は通用しません。われわれ教員も心して学ぶ意味を考えて授業をしないといけなくなりました」(穂積先生) 秋に実施する、推薦入試等を模した「志望理由書」の作成は、向陵プランの山場だ(図3)。各自が関心をもつ社会問題について学べる進学先を調べ、現時点での志望校および学部・学科を焦点化。2年間の活動を振り返りながら、「なぜ○○を志望するか」を考え、同校オリジナルの「志望理由書」にまとめる。担任はクラスの生徒全員と面談し、「なぜこう書いたの?」「なぜここは書けないのだろう?」と考えを深める支援をする。習として学部・学科調べを実施したうえで、夏休みに3日間連携大学へ。講義のほか、ゼミ活動、卒業論文中間報告会、実験・実習、フィールドワークなどに参加し、「日常的な研究活動」を体験する。 7年間を見通した高大連携の新しい形であるアカデミックインターンシップは、最初はなかなか理解されなかったが、連携大学は年々増加。4年めとなる14年度は宮城県、岩手県、山形県の11大学21学部と連携した。さらに15年度は岩手県の高校も加わる予定で、複数大学と複数高校の連携に拡大しつつある。 アカデミックインターンシップが生徒に与えるインパクトは大きい(Voice)。具狭めがちな選択肢を複線化し生徒の可能性を広げる 3学年は「自分とつながる」をテーマに掲げ、自分の将来像を適性や能力をふまえて改めて見直し、その実現のための進路選択を考える。 新たに政治・経済系、環境系、医療・看護系など9分野を設定。その中で小グループを編成し、課題研究「サクセスタイム」に取り組む。希望進路に関連する題材について、調べ学習やディベートなどを通じて深め、最後はパワーポイントやポスターにまとめる。 向陵プランはアウトプットも重視しており、随所でレポート作成やプレゼンテーションを実施する。秋には全校生徒が参図4 教員のコメントが入った「向陵生の記録」図3 「志望理由書」とその事前ワークシート「構想メモ」アカデミックインターンシップ参加の感想● 看護学を活かす場は病院などの施設だけではなく、 地域と密接にかかわっていることを知ることができました。● 建築系にも材料やデザインといったさまざまな分野があって驚きました。 選択の幅が広がりました。● 機械工学は自分のやりたいことと少し違うかもと思った。● とても活き活きと説明してくださる先輩方を見て、私もそんな大学生になりたいと思いました。● 現役大学院生の方々にいろいろ質問してみて、大学生活がとても大変だということがわかりました。しかし、大学生活の楽しさもわかったので、大学を具体的に考えることができるようになりました。● 自分で成し遂げる力が必要だと思いました。今回発表してくださった大学生の方も、自分でアポをとり、自分で話をしに行って、自分でまとめて、すべて自分の力でやっていました。● 実験後の考察も、高校より高いレベルで、大学生になるには高校の内容をしっかり学習しなければいけないと思いました。● 大学で学ぶ4年間は自分の好きなことを深められるいい機会なのに、何となく過ごすのはもったいないと思いました。● 学問分野に関する問題意識が大切だと感じました。大学は学んだことから、さらに自分で研究を深めていくところだから、何がしたいかが明確になっていないといけないと思いました。以前は『学習の記録』だったものを、生活面、学習面、進路面それぞれを振り返りできるよう、キャリアポートフォリオとして改定生活ポートフォリオ学習ポートフォリオ進路ポートフォリオ542015 MAY Vol.407

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