キャリアガイダンス vol.407
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例えば「魚の塩焼き」ひとつとっても店によりレシピは異なるものです。ある店で学んだ調理の仕方が別の店では通用しないこともあります。そのため、調理師学校の役目は、単にレシピを教えることではありません。素材や調理に関する基本的で普遍的な知識や技術の教授に加え、調理人として、食に向き合う姿勢まで養う必要があるのです。 例えば、食品衛生に対する厳しい目です。本校が2007年にHACCP対応の校舎を完成させ、10年に国際規格ISO22000の認証を取得するなど、常に新たな食品衛生教育に取り組んでいるのもそのためです。 エコ感覚も求められます。例えば、がらの授業を通じて、経営感覚を養ってほしいと思います。 ある卒業生は、ニューヨークにある日本大使館で公邸料理人として活躍しています。海外勤務を嫌う若者も多いと聞くなか、よくぞチャンスを掴んでくれたと誇りに思います。よく知られるように今や日本料理は世界中で注目の的。ドバイのホテルからも求人の案内が届く時代です。努力次第で世界を舞台に活躍することも十分可能です。そうしたなか、夢ある若者を世界に羽ばたきやすくするような新しい学科を現在、構想しています。アメリカのコーネル大学など海外の食に携わる名だたる学校への進学を目標とした学科です。 手に職をつけ、一刻も早く調理師として独り立ちしたいという若者を応援するとともに、そうした高い志をもつ層もカバーすることで、互いが刺激しあうことを期待しています。まだ構想段階ですが、これまで築いてきたネットワークも活用しながら、ぜひ実現させるつもりです。 根底にあるのは、日本の食文化の発展に、わずかでも貢献したいという気持ち。その気持ちを、いつまでも忘れずにいたいと思います。【学校長プロフィール】ひろせ・おさむ●1966年生まれ。帝京大学薬学部卒業。東京ヒルトンホテル勤務後、誠心学園入職。(社)神奈川県専修学校各種学校協会理事、(社)全国製菓衛生師養成施設協会副会長、内閣府6次産業人材ワーキンググループメンバーなど役職多数。【学校法人プロフィール】1970年、誠心調理師専門学校設立。89年、東京誠心調理師専門学校に校名変更。99年、国際フード製菓専門学校設立。2007年、東京誠心調理師専門学校新校舎完成。14年、国際フード製菓専門学校新館竣工。日本、そして世界を舞台に活躍できる職業人の育成を西洋料理のコンテストでは出した生ゴミの量が審査対象になることがあります。いかに食材を無駄にしないかといったことも大切な視点です。 また、組織の中で良好な人間関係を築いたり、自分の考えをきちんと表現したりするといったコミュニケーション力も必須でしょう。現在、大人数の講義型ではなく、少人数で意見を交わす授業にシフトする教育機関が増えていますが、そうした形態を取り入れ、食に関するテーマをグループで討論するような授業を増やしていこうと考えています。 さらに、これからの時代はマネジメントの力が求められます。シミュレーションレストランを活用した実践さな̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/三重野 剛学校法人誠心学園(東京誠心調理師専門学校、国際フード製菓専門学校)学校長広瀬 道612015 MAY Vol.407

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