キャリアガイダンスVol.410
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図1 島根大学が目指す教師力の軸図2 1000時間体験学修の領域と時間習支援など、学校以外の教育活動に参加する「基礎体験領域」。2つめは、附属幼稚園・小学校・中学校での教育実習を中心とした「学校教育体験領域」。小中一貫校のような新しいタイプの学校が増えるなか、校種間の接続をふまえた指導ができるよう、希望する校種以外の学校での体験も推奨している。そして3つめは、いじめや不登校、学級崩壊などの教育的課題をふまえ、カウ➡体験学修の募集内容は、学内の掲示板とインターネットから入手可能。近年は1000時間体験学修に対する地域の認知度が高まり、数多くの案件が集まっている➡独自の多角的評価システムによって出力されるプロファイルシート。学習全体の評価のほか教職教養、専攻、体験学修(必修)、体験学修(選択)の各分野について、教師力10軸の到達状況がレーダーチャートで確認できる⬅定期的に体験学修を振り返るセミナーを実施。「体験学修に取り組む原動力は?」「体験先で評価してもらった自分の強みは?」などをグループで話し合うンセリングや教育相談などの実習を行う「臨床・カウンセリング体験領域」だ。 また、体験そのものだけでなく、その事前・事後指導が充実していることも大きな特徴だ。体験の前には活動の目標を確認し、事後の振り返りでは学生同士が体験を共有し今後の課題を確認する。 「体験学修では、思いどおりにいかないことや失敗することは日常茶飯事。それをそのままにせず定期的に活動を振り返り、こういう場合はどう対応したらいいか、こうならないためにどんな力を磨いたらいいかを考える機会を設けています」(川路センター長) 卒業生が教員として赴任した学校からは、彼らの実践力を高く評価する声が聞かれるという。例えば、「子どもとの間に壁を作ることなく、スムーズにクラス運営が始められる」「最初から受容的態度や共感的理解ができている」「保護者の話を聞くのがうまい」といった具合だ。 「もちろんすべてがベテランの先生のようにうまくいくわけではありません。ただ、彼らは体験学修で数多くの失敗をし、うまくいかないこともあるというこ「うまくいかないこともある」と知ったうえで学校現場に入る学校理解学校での教育実践を広く社会的な制度や歴史の中に位置づけてとらえたり、授業や一人ひとりの子どもへの指導の基礎となる学級を経営したりすることができる。学習者理解一人ひとりの学習者の特性に沿った必要な支援を行ったり、発達段階をふまえた指導を行ったり、学びを深め合う学習集団を組織したりすることができる。教科基礎知識・技能各教科等の指導内容や、その基盤となる専門領域に関する知識や技能を身につけている。授業実践的確な教材分析をふまえて授業を構想・実践したり、授業をふりかえって評価したりすることができる。リーダーシップ・協力大学における学習・研究や体験学修、社会参加など、集団活動の場面において、リーダーシップをとったり、協力したりすることができる。社会参加社会的な要請や自己の関心・専門性に応じて、社会的な活動に参加することができる。コミュニケーション子どもと関わる場面や社会的な場面、研究的な場面のそれぞれにおいて、相手や目的に応じて、適切なコミュニケーションを行うことができる。探求力自己の興味や関心にしたがって、専門的な領域や特定の問題についての問題意識や知識・能力を深めることができる。教師像・倫理社会人としての人間観・倫理観を基盤としながら、教師として特に必要な倫理観や理想とする教師像を持ち、それらに照らして日常の教育実践をとらえることができる。リテラシー社会的あるいは専門的な情報について、様々な方法で受容したり発信したりすることができる。とを知っています。その場合どうしたらいいか、繰り返し考えてきた経験は、新米教師の大きな財産でしょう」(川路センター長) このように充実した体験学修のプログラムは、「島根大学だけの特別な例」だろうか。今、必修とはいかないまでも、他大学でも学校現場に入る機会を増やす動きが活発になっている。中教審の答申素案では、「学校インターン」を教員免許の単位として認める方針が示された。今後、教員養成課程を経て、子どもを取り巻く幅広い環境を知り、教育実践力を磨いてきた教師が学校現場に増えていくかもしれない。教育実践力対人関係力自己深化力基礎体験領域学校教育体験領域臨床・カウンセリング体験領域110時間入門期セミナーⅠ、Ⅱ/介護等体験/基礎体験セミナー(スタートアップセミナー、基礎体験交流会、充実期セミナー、応用期セミナー、発展期セミナー)340時間学校教育実習Ⅰ~Ⅴ/学校教育実践研究Ⅰ、Ⅱ150時間生徒指導・進路指導・保護者支援/子ども理解・学級集団の形成/特別支援教育相談400時間必修選択教員育成改革 最前線レポート①これからの教師を探る272015 DEC. Vol.410

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