キャリアガイダンスVol.410
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マネジメント学習の活動のひとこま。スーパーのイベントに参加して野菜の大切さを劇で子どもたちに訴えたり、日本らしい衣装を着て外国人観光客向けガイドツアーを行ったり、街に出て活動「総学」で使用するオリジナルテキストと、生活と学習を記録する「進取ノート」8月に実施したキャリア教育校内研修では、南中学校・南高校でつけたい力について議論 「途中で揉めたり失敗しながら、意見や成果を発信したいというエネルギーが大きくなっていきました。おとなしい生徒たちも企業や団体との交渉や発表の経験を積むなかで、コミュニケーション能力や積極性が身についたと感じます」 また、「マネジメント学習」のテーマを高校卒業後も追い続ける生徒も。地域のいくプロセスが大事。その変わり目に教員が立ち会うことで、気づきの大切さを伝え、一段上の挑戦ができるように後押ししています」(小川先生) こうして生徒主体で活動した経験は、さまざまな力や意欲につながっている。昨年度、2学年の担任として生徒の支援にあたった関草ふき路先生はこう話す。伝統的な日曜市(街頭市)の活性化を提案した生徒が、大学進学後も仲間を募って活動を継続するなど広がっている。新たな研究事業をテコにプログラムを再構築中  「マネジメント学習」を中心としたプログラムが軌道に乗ってからも、同校はいくつかの研究指定の機会を利用して常に改善を続けてきた。教員が入れ替わるなか、「現状維持を目指していては必ず質が落ちていく」と廣瀬副校長。13年度からは文部科学省の「キャリア教育に係る中核的な時間の在り方に関する研究(新名称)」の指定校に。現在、基礎的・汎用的能力にも対応する同校独自の「つけさせたい10の力」を設定し、その育成に必要な6年間のキャリア教育の再構築に取り組んでいる最中だ(図1・2)。 再構築のポイントは、「総学」を中心に展開してきた「気付く・考える・表現する」という学びのプロセスを教育活動全体に広げる点だ。キャリア教育の領域を、「総学」での「体験的な学習を核とする取り組み」、教科学習やホームルーム活動、学校行事での「体験的な学習を強化する取り組み」、そうした各取り組みを効果的に実施するための「教員のスキルアップ」の3つに整理して取り組んでいる(図3)。 「気付く・考える・表現する」を授業を含む教育全体へ  では、各領域では具体的にどのような改善を進めているのだろうか。まず、「体験的な学習を核とする取り組み」の領域では、各学年で育む力を明確にし、取り組み内容の系統性や関連性を整理し直した。1学年で身につけさせたい力は542015 DEC. Vol.410テーマ「高知のお野菜召し上がれ♪」Q テーマ設定のきっかけは?「『食』をテーマにしようと調べてみて、高知県民は野菜の摂取不足ということを発見したのが始まりです。野菜の摂取量を増やすことができれば、健康だけでなく、地産地消にも効果があるのではないかと思いました」(永澤さん)Q 秋までにどんな活動をした?「一番大きかったのは、近隣のスーパーの食育の日イベントに参加させてもらったことです。やりたいことの企画書を作ってお店に提案し、当日は自作のポスターを展示したり、野菜を使ったメニューを考えて作って試食してもらったりして、旬の野菜を多くの方に食べてもらえるよう活動しました」(伊藤さん)Q 大変だったことは?「イベントでは最初、お客さんに素通りされてばかりでショックでした。それで、休憩時間にお店の方と一緒に作戦を練って、もっと大きい声で笑顔でアピールする、試食のお盆をお客さんのところまで持っていく、小さな子には『このマフィンの中に何の野菜が入っているかわかる?』とクイズ形式にするなどの工夫をしたら、ちゃんと立ち止まってくれるようになりました」(河原さん)Q うれしかったことは?「スーパーで活動した時、私たちの展示を見てお客さんが野菜を買って『今日ちゃんと食べるからね』と声をかけてくださいました。自分たちのメッセージが伝わったんだと、すごくうれしかったです」(永森さん)前列左から2学年の伊藤文乃さん、河原愛美さん、永森由佳さん、永澤萌さん、後列左からクラス担任の久武郁先生、2学年主任の田中卓史先生前列左から2学年の岩﨑真夕さん、新井ゆなさん、梅下麗さん。客船が寄港した際は、このパネルで外国人観光客に呼びかけるスーパーに提出した企画書現在進行中のプロジェクト学習テーマ「行くぜよ!高校生と土佐の城下町ツアー」Q テーマ設定のきっかけは?「まず最初に考えたのは、『高知県をグローバルに売り出そう』というざっくりしたテーマでした。そこから、みんなで観光マップや観光パンフレットなどいろんな案を出して、最終的には10月に高知港に入航する客船の外国人客に向けた、無料のガイドツアーをしようと考えています。」(岩﨑さん)Q メンバーの3人だけで企画・実施するの?「ツアーを企画する段階では、外国人観光客のための環境整備を行っている高知おせっかい協会さんや、まちづくりや地域おこしに取り組む地元企業、高知県国際交流協会の方にお話を聞いて、ツアー内容やガイド方法の参考にしました。また当日は、外国人のガイド経験が豊富な高知おせっかい協会さんにサポートをお願いしています」(岩﨑さん)Q ここまで進めてきた感想は?「高知県民なのに、高知の良さを全然わかっていなかったなと。最初、高知県のよいところを聞かれて、『高知城、はりまや橋、イオン』ぐらいしか言えなかったのですが、あまり知られていない清流などの魅力を再発見しました」(梅下さん)「実は最初、自分が何をしたらいいのかわからなかったんです。でも、リーダーに分担を割り振ってもらって、『しっかりやらなくては』という責任感が出てきて、『これは誰かがやってくれるだろう』ではいけないな、みんなで話し合って決めることが大事だな、と思うようになりました」(新井さん)

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