キャリアガイダンスVol.410
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 そうして学習に入ると、授業前は騒がしかった教室が不思議と落ち着いていた。「パズルのあとだと『集中して考える』ことを生徒がそのまま継続できる」という。 今日は、単元の学習の集大成。グラフにできない2次関数の式を「平方完成」してグラフを書ける式に変形し、その関数の最大値や最小値を求める。大人でも文系ならお手上げになりそうだ。浦安南高校の生徒には、小学校の算数で一度躓いた生徒も少なくない。けれども生徒たちは、奥田先生の三段階に分けた説明(左ページ写真参照)に耳を傾け、問いかけにもパズルのときと同様に答えていった。 「平方完成、復習するよ。①式にかっこをつける。②かっこの中を半分にする。③半分にした数字をうしろで?」 「2乗して引く」 「そう。この3段階で平方完成できます。次いくぞ。グラフを書くには、①平方完成をする。②頂点、形、y切片を読み取1965年生まれ。1988年に千葉県公立高校の教員に。前任校の我孫子東高校では進路主任として、他の先生と共に総合的なキャリア支援プラン「我孫子東D-P」を策定。このプランで同校は平成24年度文部科学大臣賞表彰校に。浦安南高校では、高校生活サポート部長、特別支援コーディネーターを務める。数学奥田雅之先生クリエイティブティーチャーに学ぶ!学校でキャリア教育に力を入れたいと思ったとしたら、一般的に先生は何から取り組めばよいものなのでしょう。まずは自身の意識を変えることだ。そう考え、生徒の将来という視点から全活動をとらえ直した先生の実践を紹介します。取材・文/松井大助撮影/村田わかな生徒が5分間のパズルで思考と集中の準備をする 「じゃあ、いつものようにパズルからいくよ。今日は難易度の高いものにちょっとチャレンジしてみよう」 奥田先生の数学の授業はパズルから始まる。2学期も中盤、浦安南高校1年D組の生徒も今ではすっかり慣れている。 「ヒント。13=246のマッチ棒のどこか1本を動かすと足し算か引き算ができて、もう1本動かすと左側と右側が等しくなります。頭、回転させて、回転させて」 「先生、わかった!」「わかった?」 「え〜、待って、わかんない」 わかった生徒が黒板に答えを書き込む。 「みんなわかったかな。実はこの問題にはもうひとつ別の解答があります。それをみつけたら天才だね。長年やっているけれど、みつけた人はひとりもいない」 「じゃあ無理じゃん」 「わかんないよ。このあいだ、俺の知らない解答を○○がみつけてくれたから」 「たまたまです」 「たまたまじゃないよ。あれはすごかった」 生徒たちは頭をひねったが、残念ながらタイムアップ。奥田先生が答えを教えると「そういうことね」「なんだあ」の声。 「なんだって文句言わない、感動してよ。問題には別の解答があるかもしれない。世の中に出たら、ひとつの解答だけに凝り固まっちゃダメだぞ、ということだよ。じゃあ、試験範囲ラストのところいくぞ」浦安南高校(千葉・県立)マッチ棒を2本動かして、等式を成り立たせるのが今回の問題。答えは58ページの「HINT&TIPS」参照。562015 DEC. Vol.410

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